国連「スーダンの民間人殺害、2025年に2.5倍超」性暴力も急増と警告
国連は、スーダン内戦での民間人殺害が2025年に前年より2.5倍以上に増えたとの記録があると明らかにし、未確認・行方不明者が多いため実際の犠牲はさらに大きい可能性が高いと警告しました。
何が発表されたのか:国連人権高等弁務官が人権理事会で説明
国連人権高等弁務官のフォルカー・トゥルク氏は国連人権理事会で、スーダンの紛争を「醜く、血なまぐさく、無意味」と表現し、当事者双方が人道的停戦を拒んでいると述べました。さらに、国外の支援者が「ハイテク」化した戦闘をあおっているとも指摘しています。
背景:2023年4月から続く政府軍とRSFの衝突
スーダンでは2023年4月以降、政府軍と準軍事組織の即応支援部隊(RSF)の間で戦闘が続いています。国連によると、これまでに数万人が死亡し、約1100万人が避難を余儀なくされており、「世界最悪級の人道危機」の一つと位置づけられています。
数字で見る:2025年に「民間人殺害が2.5倍超」、性暴力の記録も500件超
トゥルク氏は、国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)の記録として、次の点を挙げました。
- 2025年の民間人殺害:前年と比べ2.5倍超に増加
- 未確認・行方不明者:多数が「不明」または「身元未特定」のまま
- 性暴力:2025年に500件超を記録(レイプ、集団レイプ、性的拷問、性的奴隷を含む)
同氏は「女性や少女の身体が、共同体を恐怖に陥れるために武器化された」と述べ、性暴力の深刻化を強く問題視しました。
現地の焦点:避難民キャンプとダルフール西部の要衝
トゥルク氏は、特に深刻な事例として、RSFによるとされる攻撃を挙げています。
- 4月:ザムザム避難民キャンプへの攻撃
- 10月:西ダルフールで当時、政府軍の「最後の拠点」とされたエル・ファシル(El-Fasher)への攻撃
これらの暴力を同氏は「虐殺(carnage)」と表現し、即決処刑、恣意的拘束など「残忍」な侵害が広がっていると訴えました。
追加声明:「戦争犯罪・人道に対する犯罪」「ジェノサイドの特徴」との指摘も
別の声明として、国連人権理事会の「スーダン・コア・グループ」の外相らは、エル・ファシルにおけるRSF主導の暴力は戦争犯罪および人道に対する犯罪に当たり、さらに「ジェノサイドの特徴(hallmarks of genocide)」を帯びていると述べました。
いま何が問われているのか:数字の裏側にある「把握できない犠牲」
今回の発表で重いのは、「増えた」という傾向だけでなく、被害の全体像が掴みきれていない点です。身元不明の犠牲者、行方不明者、届きにくい地域での被害が残る限り、統計は“下限”になりやすい。人道アクセス(支援が届く道筋)と、停戦を含む合意形成がどこまで現実味を持つのかが、2026年に入った今も大きな焦点になっています。
Reference(s):
cgtn.com








