米国がイランで「大規模戦闘作戦」開始表明 間接核協議3回の直後に緊迫
2026年2月28日、トランプ米大統領はイランで「大規模な戦闘作戦」を開始したと述べました。イスラエルが同国への「先制」攻撃を実施した数時間後だとされ、外交ルートで進んでいた米・イラン間の間接核協議(3回)から一転して軍事的緊張が強まっています。
いま何が起きているのか
報道によると、イスラエルがイランに対する「先制」攻撃を行い、その後、トランプ大統領が米国としてイランでの「大規模戦闘作戦」開始を表明しました。攻撃が続く中、イランは自国の領空を閉鎖したとされています。
軍事行動の詳細や被害状況などは本稿では断定できませんが、少なくとも「外交で糸口を探っていた局面」から「軍事が前面に出る局面」へ、短期間で空気が変わったことは確かです。
背景にあった「間接核協議」3回の流れ
今回の軍事的エスカレーションは、ワシントンとテヘランがオマーンの仲介で重ねてきた間接協議の直後に起きました。以下は、提示された情報にもとづくタイムラインです。
第1回:2月6日(オマーン・マスカット)
- 形式:オマーン外相サイイド・バドル・ビン・ハマド・ビン・ハムード・アルブサイーディ氏が仲介する間接協議
- 米国側:トランプ大統領は協議を「非常に良い」と表現しつつ、合意に至らない場合は「非常に厳しい結果」があると警告
- イラン側:アラグチ外相は「良いスタート」「前向きな雰囲気」と説明。議題は核問題に限定され、地域の広範な案件は扱わないと強調
第2回:2月17日(スイス・ジュネーブ/オマーン大使館)
- 米国側:「建設的な雰囲気」とし、核計画に関する技術的論点を協議。立場の明確化と共通目標の特定で前進があったとし、合意の枠組み案を準備すると説明。外交を優先しつつ、核能力に関する「譲れない線」を維持
- イラン側:第1回より「実質的」だったとし、今後の交渉を導く原則について一般的理解に到達したと説明。圧力のない進行、相互主義、制裁解除の必要性を強調
第3回:2月26日(スイス・ジュネーブ/オマーン大使館)
- 結果:合意には至らず。ただし各当事者は前向きな評価を示し、3月2日にオーストリア・ウィーンで技術協議を継続する計画を発表
- 米国側:トランプ大統領は(2月27日とされる発言で)交渉の進捗に「満足していない」と述べ、「力を使いたくないが、時にはそうしなければならない」とも言及
- イラン側:アラグチ外相は国営TVで、核分野と制裁分野の双方で合意要素に「非常に真剣に入った」とし、非常に良い進展があったと述べたと報じられています。新たな協議を1週間以内に行う可能性にも言及
「核協議の直後」に軍事が前に出る意味
今回の特徴は、交渉が「途切れていた」わけではなく、次の技術協議(3月2日)まで予定されていた点です。間接協議の場では、核問題に議題を絞り込みつつ、技術論点や制裁をめぐる相互主義が語られていました。
その一方で、米国側は「譲れない線」を強調し、イラン側は「圧力なし」と「制裁解除」を重ねるなど、折り合いの難しさもにじんでいました。軍事的な動きが加わることで、交渉の継続自体や議題設定が、さらに不確実になり得ます。
今後の焦点:3月2日のウィーン協議は予定通り行われるのか
現時点(2月28日)で、3月2日にウィーンで予定されている技術協議が予定通り進むかどうかは見通せません。焦点は次の3点です。
- 外交日程の維持:軍事行動の中でも技術協議が継続できるのか
- 議題の収縮/拡大:核問題に限定する枠組みが保てるのか、それとも別の争点が入り込むのか
- 当事者のメッセージの変化:強硬な発言が交渉余地を狭めるのか、逆に妥協のシグナルを生むのか
交渉が「技術」に入ったとされる局面は、文言や検証、段階的措置など現実的な詰めに向かう一方、わずかな不信や出来事で雰囲気が崩れやすい時期でもあります。軍事と外交が同時進行する状況で、次の一手がどう組み立てられるのかが注目されます。
Reference(s):
Backgrounder: Three rounds of indirect Iran-U.S. nuclear talks
cgtn.com








