軍事圧力だけではイランは動かない?交渉空気の悪化を専門家が指摘
米国が目的を達成するうえで、軍事圧力だけに依存してもイランの「譲歩」を引き出すのは難しい――。中国国際問題研究院(CIIS)米国研究部の蘇暁輝(スー・シャオフイ)副部長が、軍事作戦が交渉環境を損ねているとして警鐘を鳴らしました。
ポイント:交渉の「空気」が壊れると、再開は一気に難しくなる
蘇氏は、「軍事作戦の開始が交渉の雰囲気を損なった」と述べ、協議の立て直しは非常に難しくなる可能性があると指摘しました。背景として、イラン側の対米不信が大きく損なわれている、という見立てを示しています。
- 軍事作戦が続くほど、交渉に戻るための政治的な余地が縮む
- 当事者間の信頼が弱まると、合意形成のコスト(国内説明・安全保障上の保証など)が上がる
「昨年の12日間の戦争」を上回る恐れ——報復の強度に注目
蘇氏は、衝突がさらにエスカレートする可能性に触れ、規模が昨年(2025年)の「12日間の戦争」を上回る展開もあり得ると分析しました。加えて、現時点でのイランの報復は、前回の戦闘局面よりも強いように見えるとも述べています。
ワシントンとテルアビブ(イスラエル側)にも「制約」がある
一方で蘇氏は、米国とテルアビブ(イスラエル側)も無制限に行動できるわけではないと整理します。
- 米国:中東で新たな長期紛争に深く巻き込まれることには慎重
- 地域の国々:全面戦争が起これば不安定化が進むことへの警戒が強い
軍事行動が「圧力」になる一方で、長期化すれば当事者・周辺国それぞれに負担が広がり、出口戦略が見えにくくなる——。蘇氏の見立ては、こうしたジレンマを示唆しています。
いま焦点になりそうなこと
蘇氏の発言からは、今後の焦点として次の論点が浮かび上がります。
- 交渉再開の条件:損なわれた信頼をどう補うのか
- 報復と抑制の綱引き:強度が増すほど偶発的拡大のリスクも増える
- 地域の懸念:全面戦争回避に向けた周辺の動きがどこまで作用するか
軍事と外交のバランスが崩れたとき、対話は「必要」でも「可能」ではなくなることがあります。2026年の中東情勢は、まさにその難しさが問われる局面に入りつつあるのかもしれません。
Reference(s):
Expert: Military pressure alone unlikely to force Iran to compromise
cgtn.com








