ハメネイ師死去、イランは混乱へ向かうのか――専門家は「制度は持ちこたえる」
イラン最高指導者アヤトラ・アリ・ハメネイ師の死去は極めて重大な出来事ですが、直ちに政治的混乱へ直結するとは限らない――専門家がこうした見立てを示しています。焦点は「次の最高指導者をどう決めるか」と、その手続きが戦時下で滞りうる点です。
専門家が指摘するポイント:「大きな出来事」でも「崩れない可能性」
CGTNによると、専門家はハメネイ師の死去を「非常に重要な事件」と位置づけつつも、イランの安全保障機関が防御的な態勢を維持しているため、政治体制が必ずしも不安定化するわけではないと述べました。
後継者はどう選ばれるのか:鍵を握る「専門家会議」
西北大学(Northwest University)の戦略研究センター主任である王晋(Wang Jin)氏は、ハメネイ師の死去後、次の最高指導者をめぐって「専門家による委員会」を設け、協議と決定が必要になると説明しています。
現行制度では、最高指導者は「専門家会議(Assembly of Experts)」が選出します。ただし、同会議が戦時下の条件で運営されているため、構成員が実際に招集・参集できるのかは不透明で、手続きの遅れにつながる可能性があるとされています。
遺言による「指名」の可能性も:ただし公開情報は限られる
王氏は、ハメネイ師が非公開の遺言で後継者を示していた可能性にも言及しました。前例として、アヤトラ・ホメイニの後継が遺言に沿って進み、その後に専門家会議が追認したケースがあったという見立てです。
一方で、こうした文書は公にされないため、実際に同様の指示が残されているかどうかは現時点では分からないとも述べています。
「手続きは複雑」でも「混乱に陥らない」――制度が踏みとどまる条件
王氏は、後継選びのプロセスが複雑になる可能性を認めつつも、イランの政治制度は混乱へ転落せずに移行を管理できる見通しを示しました。ここでカギになるのは、戦時下の制約のなかでも意思決定の手続きをどう成立させるか、そして安全保障機関がどの程度「防御的な姿勢」を維持できるかです。
今後の注目点:ニュースを見るときの“チェックリスト”
- 専門家会議が実際に招集されるのか(招集の可否・時期)
- 手続きの遅れが、権力移行の見通しにどう影響するか
- 遺言など「非公開の指針」があるのかを示すシグナルが出るか
- 安全保障機関の「防御的態勢」が継続するか
2026年3月1日現在、最大の論点は「誰が後継になるか」だけでなく、「どの手続きで、どれだけの時間をかけて決まるのか」です。断片的な情報が飛び交いやすい局面だからこそ、制度上のプロセスと、その遅延リスクを切り分けて追うことが、状況理解の近道になりそうです。
Reference(s):
Expert: Khamenei’s death unlikely to trigger political chaos in Iran
cgtn.com








