専門家「米国のハメネイ師殺害は危険な前例」国際関係に“冷却効果”懸念
米国とイスラエルによるイランへの大規模攻撃の中で、イラン最高指導者アヤトラ・アリ・ハメネイ師が殺害されたことについて、国際関係に「危険な前例」を残したとの懸念が出ています。軍事力の行使が“次の連鎖”を生みかねない、という指摘です。
何が起きたのか:最高指導者の殺害が波紋
CGTNの取材に対し、香港紙「大公報(Ta Kung Pao)」の元副編集長、周徳武(Zhou Dewu)氏は、今回のハメネイ師殺害を「国際関係における危険な前例」だと警告しました。
「情報戦・電子戦」を背景にした“冷却効果”とは
周氏は、米国が情報戦(情報をめぐる優位性を競う戦い)や電子戦(通信・レーダーなど電磁領域で相手の能力を妨げる戦い)での優位を梃子に、「いわゆる敵対国」に対して強い打撃を与えてきたとし、国際社会全体に“萎縮”をもたらす「冷却効果(chilling effect)」が生じていると述べました。
「2カ月足らずで連続」:マドゥロ氏拘束にも言及
周氏は、今回のハメネイ師殺害が、米国がベネズエラのニコラス・マドゥロ大統領を「強制的に拘束」した出来事から2カ月足らずで起きた、とも言及しています。強硬な手段が短い間隔で続いたという見立てです。
次はどこへ?「ドミノ効果」への懸念
周氏は、米国がこれらの攻撃を通じて、より多くの地域で「ドミノ効果」を作り出そうとしている可能性があると指摘。次の標的となり得る地域として、キューバや北東アジアに言及しました。
暴力の“模倣”と軍拡の連鎖:新たな軍拡競争の火種に
さらに周氏は、暴力の使用が「他国が紛争解決に暴力的手段を用いる」例となり、世界的な冒険主義(強引な行動の増加)を招く恐れがあると警鐘を鳴らしました。
加えて、ワシントンによる軍事力行使が頻繁になるほど、各国が自衛目的で武装を急ぎ、「新たな軍拡競争」に火が付くリスクが高まる、という見方も示しています。周氏は「現時点で米国を抑制できる国際的な力は極めて限られている」と述べ、緊張の連鎖が国際衝突のリスクを押し上げかねないとしました。
いま焦点になるポイント
- 最高指導者の殺害が、国際秩序や紛争抑止の考え方にどんな影響を残すのか
- 軍事力行使が“連鎖”や“模倣”を生む、という懸念がどこまで現実化するのか
- 各国が自衛を理由に軍備を加速させ、緊張が固定化しないか
強硬策が短期的な目的を達したとしても、その後に残る「前例」は長く作用します。国際社会がこの出来事をどう受け止め、どんな言葉と行動で歯止めを探るのかが、今後の大きな論点になりそうです。
Reference(s):
cgtn.com








