レソト首都で広がる水耕栽培——食料高騰にIT技術者が挑む video poster
2026年3月現在、内陸国レソトでは食料品価格の急上昇が家計と地域の供給不安を押し上げています。そんな中、首都マセルの出身でIT技術者のモチェサネ・ムパリ氏が「土を使わない農業」=水耕栽培を広げ、都市部でも耕作地が乏しい場所でも食料を育てられる道を切り開いています。
いま注目される「水耕栽培」とは
水耕栽培(ハイドロポニिक्स)は、土ではなく水や養分を使って作物を育てる方法です。耕作に向く土地が限られる状況でも取り組みやすく、都市の居住者や農家が「場所の制約」を受けにくい点が特徴とされています。
食料高騰のなかで、マセル発の試み
今回の動きの背景にあるのは、レソトで進む食料価格の急上昇です。ムパリ氏は地元マセルで、新しい農法として水耕栽培を実践し、都市の住民や農家が土壌や広い耕作地に頼らずに食料を育てられる可能性を示しています。
気候の不安定化と「食料不安」をどう抑えるか
記事が指摘するのは、深刻化する気候関連の課題が、食料不足(フードインセキュリティ)をいっそう揺さぶり得ることです。水耕栽培は、環境条件の変動が大きい時代に「生産を途切れさせない」ための選択肢として期待されています。
もう一つの壁:小規模農家の市場アクセス
食料を「作れる」ことと「売れる」ことは別問題です。レソトでは、大規模アグリビジネス(大規模農業事業者)の存在感が増すことで、小規模農家が市場にアクセスしにくくなる懸念も浮上しています。
水耕栽培の普及が進んでも、次の問いは残ります。
- 小規模な生産者が、どの販路にどうつながるのか
- 都市部の需要と地域生産をどう結び直すのか
- 価格高騰局面で、継続的に供給を確保できる仕組みはあるのか
「土がなくても育てられる」が意味するもの
ムパリ氏の取り組みは、農業を“土地に縛られた営み”から少し解放し、都市生活者や小規模生産者に新しい選択肢を提示しています。食料高騰、気候の不確実性、市場構造の変化——これらが同時に進むなかで、水耕栽培は「作る場所」と「暮らし」を近づける試みとして静かに注目を集めています。
Reference(s):
cgtn.com








