米24州がトランプ関税に差し止め訴訟 「議会承認なし」は違法と主張
米国で関税政策をめぐる法廷闘争が再び注目を集めています。オレゴン州を含む24州が2026年3月5日(木)、トランプ大統領が打ち出した新たな関税措置の差し止めを求めて提訴しました。
何が起きた? 24州が国際貿易裁判所に提訴
オレゴン州は他23州と共同で、米国国際貿易裁判所(US Court of International Trade)に訴訟を提起しました。訴状は、新たな関税方針について次の点を問題視しています。
- 連邦法に違反している
- 憲法上の権力分立(議会と大統領の権限の切り分け)を損なう
- 行政手続法(Administrative Procedure Act)に反する
州側の主張:「世界的な関税引き上げを議会抜きで進めた」
オレゴン州のダン・レイフィールド司法長官は声明で、今回の訴訟は議会の承認なしに世界規模で関税を引き上げる試みを争うものだと説明しました。
また、「いま焦点にすべきは人々に返すこと(負担軽減)であり、違法な関税をさらに積み増すことではない」と述べ、食料品や衣類など生活必需品の値上がりで多くの米国民がすでに苦しい状況にあると訴えています。
法的な争点:IEEPAは「使えない」後、今度は1974年法を根拠に
声明によると、トランプ大統領は1年以上にわたり適切な法的権限を欠いたまま関税を課してきた、と州側は主張しています。
当初、大統領は国際緊急経済権限法(IEEPA)を根拠に「どの国の製品にも、どの水準でも、どの期間でも」関税を課せると位置づけていました。しかし、米連邦最高裁は2026年2月20日、IEEPAに基づく関税は違法だと判断したとされています。
その後、大統領は1974年通商法の第122条(Section 122)を根拠として、貿易赤字を理由に世界の大半の製品へ15%の関税を発表した、というのが州側の説明です。
「貿易赤字」だけでは要件を満たさない、という主張
州側は、第122条が想定するのは「大規模で深刻な国際収支(balance-of-payments)赤字」など限られた状況だと指摘。単なる貿易赤字は該当しないため、今回も違法だ、という論理を組み立てています。
家計への影響:関税コストの多くは消費者と企業が負担、という分析
声明は、ニューヨーク連邦準備銀行の研究者による最近の分析として、2025年の関税コストの約90%を米国の消費者と企業が負担したと紹介しています。
さらに、専門家の推計として、これらの関税が続けばオレゴン州の平均的な家庭で年1,200ドル超の生活費押し上げにつながり得るとも述べています。
今後の焦点:裁判所判断と、政策プロセスの透明性
今回の訴訟は、関税の是非そのものだけでなく、誰が・どの手続きで・どこまで決められるのかという統治プロセスの問題を正面から問う形です。国際貿易裁判所が差し止めを認めるか、そして連邦政府側がどのように法的根拠を組み立て直すのかが、当面の注目点になりそうです。
Reference(s):
cgtn.com








