イスラエル軍がレバノンで空挺作戦、ヒズボラ拠点を空爆 緊張再燃
2026年3月7日(現地時間)、イスラエル軍はレバノンで新たな空爆の波と、異例とされる空挺(ヘリ投入)作戦を実施したと発表しました。国境地帯での衝突が再び激しさを増すなか、停戦後に抑えられていた緊張が一気に高まっています。
何が起きたのか(3月7日の動き)
イスラエル国防軍(IDF)によると、夜間にかけてレバノン南部と東部ベカー高原(ベカー・バレー)で、ヒズボラの軍事インフラを攻撃したといいます。対象にはロケット発射装置、武器庫、指揮所などが含まれるとされています。
- IDFは、ヒズボラ精鋭「ラドワン部隊」の指揮官らも標的にしたと説明
- IDFは「イスラエル軍部隊や民間人への攻撃を計画していた」と主張
- 戦闘の焦点は、レバノン・シリア国境沿いの町ナビ・チト周辺へ
空挺作戦をめぐる応酬:ナビ・チト周辺で激化
報道によれば、イスラエル軍ヘリが山岳地帯に部隊を投入し、周辺で戦闘が激化しました。ヒズボラ側は「ヘリを探知し、イスラエル軍を撃退した」と主張。これに対し、イスラエル側は部隊の撤収を援護し、増援の到達を妨げる狙いで空爆を重ねたとされています。
レバノンのメディアは、この地域の衝突とその後の爆撃で、レバノン軍関係者や民間人を含む少なくとも41人が死亡したと伝えました。一方、イスラエル側は「自軍に負傷者はいない」としています。
作戦のもう一つの目的:「ロン・アラド氏」の手がかり捜索
IDFは今回の空挺作戦について、1986年からレバノンで行方不明とされるイスラエル空軍航法士ロン・アラド氏の遺骨(遺体の痕跡)を捜索する意図があったとも説明しました。ただし、関連する発見は得られなかったとしています。
停戦後の転機:2024年11月以来のロケット攻撃が引き金に
今回のエスカレーション(緊張激化)は、ヒズボラが数日前にイスラエルへロケット弾を発射したことが背景にあるとされています。これは、2024年11月の停戦以降で初の攻撃だと伝えられています。
イスラエルはその後、空爆と限定的な地上侵入を組み合わせた「攻勢的な軍事作戦」を進めているとし、レバノン南部やベイルート南部郊外の一部で避難警告も出しているとされています。
イスラエルのイスラエル・カッツ国防相は、レバノン側がヒズボラの活動を抑えられない場合「非常に重い代償を払う」と警告し、自国の民間人と兵士の保護を優先する姿勢を示しました。これに対し、ヒズボラはイスラエル北部の住民(キリヤット・シュモナなど)に避難を警告したとされ、双方の強硬なメッセージが不安を増幅させています。
民間人の影響:大規模な避難と人道面の懸念
当局や支援機関によると、爆撃の激化によりレバノン国内で広範な避難が起き、数十万人が自宅を離れたとされています。軍事的応酬が長引くほど、インフラや医療体制への負荷が高まりやすく、民間人の安全確保が大きな課題となります。
より広い文脈:2月28日の米・イスラエルによるイラン攻撃後、連鎖的に拡大
今回の衝突は、2月28日の米国・イスラエルによるイランへの共同攻撃が引き金となって広がった地域戦争のさなかで起きているとも伝えられています。報道では、これを受けてテヘランが中東各地でミサイルや無人機による報復攻撃を行ったとされています。
外交の糸口はあるか:国連が「緊急の外交努力」を要請
国連のレバノン特別調整官ジャニーン・ヘニス=プラスハールト氏は7日、衝突がさらに悪化し得るとして、暴力を止めるための緊急の外交努力を呼びかけました。
現時点の焦点は、(1)国境周辺の攻撃の応酬がどこまで拡大するか、(2)避難警告が示す作戦範囲の広がり、(3)外交ルートが実際に停戦・沈静化へつながるか――の3点です。
Reference(s):
Israel launches airborne raid, pounds Hezbollah sites in Lebanon
cgtn.com








