Axios報道:米国とイスラエル、イランの高濃縮ウラン確保作戦を検討
2026年3月8日現在、米ニュースサイトAxiosは、米国とイスラエルが「イランの高濃縮ウランを確保するために特殊部隊を投入する案」を検討してきたと報じました。空爆や制裁といった間接的な圧力ではなく、地上で施設に入り「物質そのものを押収・処理する」発想が議論に上っている点が、緊張を静かに押し上げています。
Axiosが報じた「特殊部隊での確保」構想とは
Axiosによると、議論されているのは、イラン側の軍事的な防衛態勢が地上任務にとって「対処可能」と見なされる段階で、特殊部隊をイラン国内に投入し、厳重に防護された核関連施設から高濃縮ウランを確保するというものです。協議を知る4人の情報筋の話として伝えています。
対象とされるウラン量
報道では、60%まで濃縮されたウランがおよそ450キログラムあり、数週間で兵器級に転用し得る、とされています。こうした「短い時間軸」が、対応オプションをより先鋭化させていることがうかがえます。
作戦は米単独・イスラエル単独・共同の可能性
Axiosは、作戦が米軍、イスラエル軍、または共同部隊で実施される可能性が議論されたと伝えました。施設は「重防護」とされており、地上侵入は作戦の難度とリスクが高い選択肢であることが前提になります。
米側で議論された2つの選択肢:搬出か、現地での希釈
米政府関係者の話として、Axiosは次の2案が検討されたと報じています。
- ウランをイラン国外へ搬出する
- 核の専門家を現地に入れて希釈(濃度を下げる)する(国際原子力機関(IAEA)の科学者が関与する可能性も示唆)
「押収」だけでなく「その場で扱いを変える(希釈する)」という発想が含まれている点は、核物質の管理・検証という論点と、軍事作戦の論点が交差する部分でもあります。
トランプ大統領の発言とホワイトハウスの姿勢
イスラエルの国防当局者は、米国のドナルド・トランプ大統領と側近が、イラン国内での特殊作戦を「真剣に検討している」とAxiosに述べたとされています。ただし実行は、イラン軍が地上任務に対し重大な脅威を与えられない状況になった後になる、という見立てです。
またAxiosによると、トランプ氏は土曜日、部隊投入について「とても正当な理由があれば」排除しない趣旨を記者団に述べ、ホワイトハウス報道官も「大統領はあらゆる選択肢を残している」と説明したといいます。
関連する備え:カーグ島の掌握案も俎上に
Axiosはさらに、米当局者が、より広いコンティンジェンシー(不測事態)計画の一環として、イランの原油輸出の多くを扱う重要ターミナルであるカーグ島を掌握する可能性も議論したと報じました。核問題とエネルギー供給の論点が同じテーブルに載っていることを示す材料とも言えます。
いま分かっていること/分かっていないこと
分かっていること(Axios報道の範囲)
- 米国とイスラエルが、イランの高濃縮ウランを確保する特殊作戦を検討したとされる
- 対象は60%濃縮のウラン約450キログラムと報じられている
- 米側では「搬出」か「現地希釈」の2案が議論されたとされる(IAEA科学者の関与可能性に言及)
- カーグ島の掌握案も、広範な計画の一部として議論されたとされる
分かっていないこと(現時点で報道からは確定しない点)
- 検討が実行段階に移る条件(「防衛が対処可能」と判断する基準)
- 実施主体(米単独・イスラエル単独・共同)の最終判断
- IAEAを含む第三者の関与の具体像
- 実施の時期や、外交面での調整の進み具合
今回の報道は、単なる「軍事オプションの存在」を超えて、核物質をどう扱うか(搬出か、現地処理か)まで踏み込んだ点が特徴です。議論が水面下にとどまるのか、あるいは今後の地域情勢の変化で前面化するのか——次の材料がどこから出てくるかが注目されます。
Reference(s):
Axios: US, Israel weigh special forces mission to seize Iran's uranium
cgtn.com








