南ア、国際女性デーに「暴力を止める行動」呼びかけ 1956年行進70年
【国際ニュース】きょう2026年3月8日の国際女性デーに合わせ、南アフリカ政府が女性と子どもへの暴力をなくすため、日常の態度や行動を変える「具体的な一歩」を市民に呼びかけました。
今年の国際女性デーと「Give to Gain」
南アフリカでは今年の国際女性デーのテーマを「Give to Gain」とし、暴力を生む価値観やふるまいを放置しないこと、被害の兆候を見過ごさないことが強調されています。政府は、通報、被害者支援、周囲への声かけなど、身近な行動を積み重ねる重要性を訴えています。
1956年「女性の行進」から70年――静かな抵抗が残したもの
今年は、1956年8月9日の歴史的な「女性の行進」から70年にあたります。当時、2万人を超える女性がプレトリアのユニオン・ビルディングスへ行進し、黒人南アフリカ人の移動を制限する通行証法に抗議しました。
リリアン・ンゴイ、ヘレン・ジョセフ、ラヒマ・ムーサ、ソフィア・ウィリアムズ=ドゥ・ブライアンらが先頭に立ち、参加者は30分間の沈黙の後、抗議歌として知られる「Wathint’ abafazi, Wathint’ imbokodo(女性を打てば、岩を打つことになる)」を歌ったとされます。平和的でありながら揺るがない姿勢は、その後の平等を求める歩みの象徴として語り継がれてきました。
いま直面する脅威:ジェンダーに基づく暴力(GBV)とフェミサイド
一方で南アフリカでは、ジェンダーに基づく暴力(GBV)やフェミサイドをめぐる危機感が続いています。政府は、問題の根にある「当たり前」とされがちな偏見や支配的なふるまいが、暴力の温床になり得ると指摘します。
政府報道官代行のノモンデ・ムヌクワ氏は、女性が直面する深刻な脅威としてGBVとフェミサイドを挙げ、社会全体での対応が不可欠だと述べました。
データが示す現実
南アフリカの人文科学研究評議会(HSRC)による2022年の国内調査では、18歳以上の女性の35%超が身体的または性的暴力を経験したとされ、親密な関係の相手が関与するケースも多いとされています。こうしたデータは、ジェンダーに基づく暴力とフェミサイドに関する国家戦略の介入策を組み立てるうえで重要な材料になります。
「国家的危機」への向き合い方:共同対応の呼びかけ
政府は、GBVとフェミサイドを「国家的危機」と位置づけ、地域社会、市民団体、政府、信仰コミュニティ、企業、市民が連携する必要があるとしています。求められている行動は、特別な誰かだけができることではなく、日常の選択の中にあります。
- 虐待や暴力の兆候を見過ごさず、適切な窓口へ通報する
- 被害者を孤立させず、支援につなげる
- 暴力を正当化する言動や同調圧力に対し、落ち着いて「それは違う」と言える環境をつくる
70年前の行進が示したのは、声を上げることの強さだけではなく、沈黙の中でも意思を揃えられるという事実でした。国際女性デーの節目に、暴力のない社会を「願い」ではなく「行動」で近づけられるかが、改めて問われています。
Reference(s):
South Africans urged to tackle violence against women and children
cgtn.com








