イラン最高指導者にモジタバ・ハメネイ氏 低い露出と「側近」像を整理
イランで最高指導者が交代しました。2026年3月8日(現地時間)、専門家会議(Assembly of Experts)は、故アリ・ハメネイ師の次男モジタバ・ハメネイ氏(56)を新たな最高指導者に選出したと発表し、地域情勢の行方にも注目が集まっています。
何が起きたのか:専門家会議が「第3代最高指導者」を発表
専門家会議は声明で、同会議の代表による「決定的な投票」により、モジタバ・ハメネイ氏を「イラン・イスラム共和国の神聖な体制の第3代指導者」として任命・紹介するとしました。
発表を受け、イスラム革命防衛隊(IRGC)は新最高指導者への忠誠を直ちに表明し、指示に従う用意があるとしています。
モジタバ・ハメネイ氏とは:マシュハド生まれ、革命後にテヘランへ
モジタバ氏は1969年、イラン北東部の都市マシュハドで生まれました。1979年のイスラム革命の勝利後、家族とともに首都テヘランへ移り住んだとされています。
高校卒業後はIRGCに参加し、イラン・イラク戦争の終盤で従軍した経歴があると報じられています。
宗教都市コムでの学びと、父の「政治的補佐役」への道
1999年、モジタバ氏はシーア派神学の主要拠点とされる聖地コムで高度な宗教研究に進み、徐々に父の重要な政治的補佐役として存在感を強めたとされています。
公の場にほとんど出ない一方、「舞台裏の影響力」が語られてきた
モジタバ氏はこれまで、公式の政府ポストに就いたことがなく、公の演説やインタビューも行っていないとされます。公開されている写真や映像も限られているという点は、人物像をより分かりにくくしてきました。
ただし、父の最高指導者としての政治運営をめぐり、主要な助言者・門番役として舞台裏で大きな影響力を持つとの見方が広く語られてきたとも報じられています。
APが伝えたところでは、2000年代後半にウィキリークスで公開された米外交公電が、モジタバ氏を「the power behind the robes(法衣の背後の力)」と表現し、体制内で「有能で強硬な指導者」と広く見られていると記していたとされています。
人脈として報じられる「軍」と「地域ネットワーク」
イラン側の情報として、モジタバ氏は長年にわたり父を補佐し、重要な国家運営上の案件への「深い理解」を持つ、とも伝えられています。歴代の政権にまたがる高官との実務上の接点や、多くの軍司令官との近い関係があるという報道もあります。
また、イランが支援するとされる「抵抗の枢軸(Axis of Resistance)」の指導者たちとのつながりが取り沙汰され、故カセム・ソレイマニ将軍、レバノンのヒズボラの故ハッサン・ナスララ事務総長らの名も挙げられています。
これからの焦点:新体制のメッセージは「どこで」見えるのか
就任直後からIRGCが忠誠を表明した一方で、モジタバ氏はこれまで公の場での発信が極めて限られてきました。今後は、公式声明や周辺組織の動き、そして地域情勢の推移の中で、新最高指導者の優先順位がどのように輪郭を持つのかが焦点になりそうです。
Reference(s):
Iran's new supreme leader explained: Who is Mojtaba Khamenei?
cgtn.com








