メキシコ、USMCA見直しで米国に「科学的根拠に基づく貿易判断」要請
北米の通商ルールを左右するUSMCA(米国・メキシコ・カナダ協定)の見直しを前に、メキシコ政府高官が米国に対し「証拠・科学・技術に基づく判断」への回帰と、一方的な関税措置の回避を優先課題として求めました。
「根拠に基づく意思決定」に戻るべきだ――農相が強調
メキシコのフリオ・ベルデゲ農相は、USMCAに関する協議イベントで演説し、貿易に影響する政策判断は(純粋な商業措置に限らず)「エビデンス(証拠)、科学、技術」に基づくべきだと述べました。
あわせて同農相は、最近の米国側の措置や穀物分野での直接補助金が貿易をゆがめ、その規模が約120億ドルに上るとの認識を示しました。
更新支持は78.5%——「一方的関税を防ぐ設計」に改良求める声
マルセロ・エブラルド経済相は、メキシコの経済セクターの78.5%が協定の更新を支持していると説明。そのうえで、協定を「更新」するだけでなく、一方的な関税が発動されにくい枠組みへと「精緻化(改良)」する必要があると訴えました。
見直しで焦点になりそうなポイント
- 輸入依存の低減
- 原産地規則(どこで作られたかの基準)の強化
- 北米のサプライチェーン安全保障の強化
医薬品・半導体・AIの国内生産拡大も課題に
エブラルド経済相は、メキシコとして医薬品、半導体、人工知能(AI)の国内生産を増やす必要性にも言及しました。通商協定の見直しが、関税やルールの議論にとどまらず、供給網の組み替えや産業政策にも連動していく可能性をうかがわせます。
協議日程:米国とは来週開始、カナダとは5月に
メキシコと米国の二国間協議は来週に始まる予定で、メキシコとカナダの協議は2026年5月に予定されています。見直し議論が本格化する中で、「根拠に基づく貿易判断」と「一方的措置の抑制」をどう制度面に落とし込むかが、今後の焦点となりそうです。
Reference(s):
cgtn.com








