イラン「停戦には再攻撃の保証が必要」 米・イスラエルとの戦闘11日目
イランは2026年3月10日、米国とイスラエルとの戦闘が続く中で「停戦には、今後さらなる攻撃が繰り返されない保証が必要だ」との立場を示しました。外交的な働きかけが強まる一方、当事者間の溝はなお深く、停戦の形をどう作るかが焦点になっています。
停戦の条件は「再攻撃の保証」──イラン副外相が強調
イランのガリババディ外務次官は3月10日、国営テレビで「停戦が成立する、あるいは戦争が止まるのであれば、イランに対する攻撃的行動が繰り返されない保証がなければならない」と述べました。あわせて、ロシアを含む複数の国が停戦に向けてイラン側に連絡してきたとも説明しています。
「停戦に応じるか」ではなく、「停戦の前提条件をどう担保するか」に話の重心が置かれているのが今回のポイントです。
米国との協議は「議題にない」──外相発言が示す距離
イランのアラグチ外相は3月10日までに、米PBSの取材に対し、米国との協議はもはやテヘランの議題ではないと語ったとされています。さらに、イランの新たな最高指導者モジタバ・ハメネイ師が、そうした関与を検討するとは考えにくいとの見方も示しました。
協議の「再開」ではなく「再開しない」というメッセージが前面に出ることで、停戦交渉が第三国仲介に偏りやすくなる構図も見えてきます。
2月28日の攻撃から11日目──報復の応酬が続く
今回の戦闘は、2月28日に米国とイスラエルがイランへの攻撃を開始し、イランがイスラエル領内や中東の米国資産に対して報復攻撃を行ったことを契機に拡大したとされています。3月10日時点で戦闘は11日目に入り、米国とイスラエルの攻撃、イランのミサイル・ドローンによる攻撃が続いています。
イラン側の位置づけ:「自衛」としての対応
アラグチ外相は、米国による攻撃への対応は正当な自衛にあたるとの立場を強調し、ワシントンから攻撃を受ければ地域内の米軍基地や資産を標的にする可能性を、すでに周辺国に警告していたとも述べています。
ロシアも関与:プーチン大統領とトランプ大統領が電話協議
ロシア側は、プーチン大統領が3月10日にトランプ米大統領と電話でイラン情勢を協議し、敵対行為を終わらせるための方法を提案したとしています。イラン側が「保証」を求め、米国側が「出口戦略」を探る中で、第三国の仲介がどこまで具体案に踏み込めるかが注目されます。
米国内の事情:原油価格と世論、そして「早期終結」発言
トランプ大統領は、対イラン戦争は「非常に近く終わる」としつつ、「今週ではない」と述べ、任務完了の宣言には踏み込んでいません。「多くの意味で勝っているが、十分には勝っていない」との発言も伝えられています。
米国内では、原油価格の上昇や長期戦化が政治的な逆風になりうるとの見方が出ています。米メディアによれば、政権内で早期に戦闘を収束させる道筋を探るよう進言があるとも報じられました。世論調査では、戦争に反対する人が多数派だとする結果も伝えられています。
イスラエルは継続姿勢、イラン国内にも強硬論
イスラエルのネタニヤフ首相は作戦は「終わりからほど遠い」と述べ、戦闘継続の姿勢を繰り返し示しています。国内支持が戦時下で強まっているとも伝えられました。
一方、イラン側でも「停戦を求めていない」とする強い言葉が出ています。ガリバフ国会議長は3月10日、イランは「間違いなく停戦を求めていない」とし、攻撃側に強い対応を取るべきだとの趣旨をSNSに投稿したとされています。
これからの焦点:「保証」をどう形にするのか
停戦の最大の論点は、イランが求める「再攻撃がないことの保証」を、誰が、どの枠組みで、どこまで具体化できるかです。現時点で見えている焦点を整理すると、次の通りです。
- 保証の中身:口約束ではなく、監視・検証や段階的措置など、実務的な仕組みに落とせるか
- 仲介の設計:ロシアなどが提案する「停止への道筋」が、当事者の面子と安全保障要求を両立できるか
- 地域への波及管理:中東の米国資産や周辺国の安全に関わるリスクを、どこまで抑え込めるか
- 経済・世論の圧力:原油価格の動きと各国内政が、妥協を後押しするのか、逆に硬直化させるのか
「停戦をしたいかどうか」だけではなく、「停戦しても崩れない設計を作れるか」。戦闘11日目の時点で、外交はその難題に向き合っています。
Reference(s):
cgtn.com








