南スーダン・アコボ撤退命令に国連PKOが「応じない」——軍事作戦計画で緊張
国連南スーダン派遣団(UNMISS)は、南スーダン政府側から出されたアコボ町の基地閉鎖・退去命令に従わない方針を示しました。アコボはエチオピア国境に近い反政府勢力の拠点とされ、数万人規模の民間人が避難しているといいます。軍事作戦が現実味を帯びるなか、現地の安全と人道支援の継続が大きな焦点になっています。
何が起きたのか:軍が「退去」を命令、国連は「残る」
南スーダン人民防衛軍(SSPDF)は金曜日、計画されている軍事攻勢を前に、UNの平和維持要員、人道支援組織、そして民間人に対しアコボから離れるよう命じました。
これに対しUNMISSは、アコボにとどまり「民間人に対する保護の存在(protective presence)」を提供すると表明しました。同時に、要員の安全とセキュリティは常に尊重されなければならないと強調しています。
UNMISSトップのアニタ・キキ・グベホ氏は、アコボおよび周辺での軍事作戦が、避難している数千人規模の民間人を危険にさらし得ると警告。命令をめぐって、国(中央)、州、地域の当局と集中的に協議しているとしています。
アコボが「避難先」になっている理由
報道によると、アコボには数万人の民間人が身を寄せています。町には少人数のUN平和維持部隊が駐留しており、これが避難の受け皿の一つになっている状況です。
背景:和平の崩れと戦闘激化、避難民は28万人超に
南スーダンでは、サルバ・キール大統領に忠誠を誓う勢力と反政府勢力のあいだの「脆弱な和平合意」が崩れたあと、戦闘が激化したとされています。
2025年12月には、反政府の戦闘員がジョンレイ州北部で複数の政府側拠点を掌握。その後、政府軍が反攻して押し戻した一方で、28万人以上が避難を強いられたと伝えられています。こうした避難の流れの一部がアコボへ向かった、という構図です。
人道支援の現場:退避が始まり、病院が略奪されたとの報告も
軍事攻勢への懸念が強まるなか、人道支援機関は職員の退避を進めています。
- 国境なき医師団は週末にアコボから要員を退避させたと発表
- その後、同団体は病院が略奪され、事務所が荒らされたと知らされたとしています
支援関係者は、町から逃れる民間人が深刻なリスクにさらされ、生活必需品も不足し得ると警戒しています。現地の保健当局によれば、負傷者のうち数十人が国境を越えてエチオピアへ移送されましたが、移送先の医療施設も薬や機材が限られ、対応に苦慮している状況が伝えられています。
国際社会の動き:米英ノルウェーが撤回を要請
南スーダンの和平プロセスを支えてきた主要国として、米国、英国、ノルウェーの各政府は、キール大統領に対して退去命令の撤回を求めました。アコボへの攻撃が実行されれば、さらなる死亡、避難、人道的苦難につながりかねないと警告しています。
今後の焦点:3つの「すれ違い」をどう埋めるか
この問題は、単に「撤退するか、残るか」だけではありません。少なくとも次の3点が同時進行で問われています。
- 民間人保護:数万人規模の避難民がいる状況で、軍事作戦と保護の両立は可能か
- 人道アクセス:支援団体の退避が進むなか、医療・物資の供給ルートをどう確保するか
- 現場の安全:UN要員の安全確保と、当局との協議が実際に機能するか
アコボは国境に近く、負傷者の越境移送もすでに起きています。戦闘の行方は、町の内側だけでなく周辺地域の医療・人道の余力にも影響し得る局面に入っています。
Reference(s):
UN mission defy South Sudan military's order to leave Akobo town
cgtn.com








