ナイジェリア、外資の「ロイヤルティ控除」を厳格化 多国籍企業の税負担見直しへ video poster
ナイジェリアで、多国籍企業の「利益移転(プロフィット・シフティング)」を抑え、政府歳入を増やす狙いの税制強化が進んでいます。焦点は、海外の親会社などに支払うロイヤルティ(知的財産やブランド使用料など)を、これまでのように自動的に損金算入(控除)できなくする点です。
何が変わった?:Nigeria Tax Act 2025のポイント
新たな「Nigeria Tax Act 2025」では、外国企業が海外の親会社など関連会社へ支払うロイヤルティについて、課税所得の計算で「当然に控除できる費用」とは扱わないルールになりました。
- 対象:海外の親会社・関連会社へのロイヤルティ支払い(知的財産、ブランドライセンス、技術サービス関連など)
- 変更点:支払ったからといって自動的に税務上の控除として認められない
- 狙い:ナイジェリア国内で生まれた利益が、海外の関連会社への支払いによって薄まり、納税額が下がる構図の是正
背景:ロイヤルティが「利益を動かす通路」になっていた
税制当局が問題視してきたのは、国境をまたぐ関連会社間取引を規律する「移転価格(トランスファー・プライシング)」の枠組みが、運用上の抜け穴として機能してしまうケースです。多国籍企業が、ナイジェリア国内の利益をロイヤルティ等の形で海外関連会社へ移し、国内の課税所得を小さく見せる——そうした長年の慣行に歯止めをかける意図が示されています。
専門家の見方:「控除は“実態”が示されるべき」
税制コンサルタントのアキントゥンデ・オグンソラ氏は、従来は企業が収益のおよそ約5%に相当するロイヤルティを控除できる余地があったと説明します。また、ロイヤルティが関連会社へ移される例が多かったとして、新法は「これらのロイヤルティはもはや控除として認められない」と明確にした、という趣旨を述べています。
税制専門家ソロモン・アラサ氏も、改革の目的を「正当な取引に対してのみ控除が与えられるようにすること」だと整理します。控除を主張するなら、通常の事業過程で実際に発生した費用であることを明確に示す必要がある、という考え方です。
影響が大きいとされる業種は
今回の変更は、ロイヤルティや技術サービス料などの支払いが事業構造に組み込まれやすい分野ほど影響が出やすいと見られています。報じられている主な対象は次の通りです。
- 石油・ガス
- 通信
- 鉱業
- テクノロジー
いま何が注目点?:企業と当局の「説明力」のせめぎ合い
このルールは、単に税率を上げるというより、「どこで利益が生まれ、どんな支払いが本当に必要だったのか」をより厳しく問う方向へのシフトです。企業側は、ブランドや技術の対価をどう位置づけ、どこまで証拠を揃えるのか。税務当局側は、正当な取引まで過度に萎縮させずに、抜け穴を塞げるのか。両者の“説明力”が試される局面に入っています。
要点まとめ
- ナイジェリアが多国籍企業のロイヤルティ控除を厳格化
- 利益移転を抑え、国内歳入の強化を狙う
- 石油・ガス、通信、鉱業、テクノロジーなどで影響が想定される
Reference(s):
Nigerian government tightens deductions, raises foreign firms' taxes
cgtn.com








