豪研究チーム、顔から飲酒・眠気・怒りを同時検知するAIを開発
オーストラリアの研究者が、ドライバーの「飲酒」「疲労(眠気)」「怒り」といった事故リスク要因を、3Dの顔解析で同時に推定するAI技術を開発しました。呼気検査のように息を吹きかける必要がない“非接触”の方法として、交通安全の現場での活用が注目されています。
3D顔解析で「事故の主要因」を同時に見る
オーストラリアのエディスコーワン大学(ECU)は2026年3月11日、研究チームが深層学習(ディープラーニング)を用いたシステムを開発したと発表しました。狙いは、道路事故の大きな要因になりやすい状態を同時に捉えることです。
- 血中アルコール濃度(BAC)の推定
- 疲労・眠気(居眠り)の検知
- 怒りなどの表情・情動の兆候の検知
精度は「BACが約90%」「眠気が95%」と説明
ECUの説明によると、このシステムは単一の深層学習モデルで、血中アルコール濃度を「約90%の精度」で識別し、眠気(drowsiness)を「95%の精度」で検知できるとされています。
また、アルコールによる影響の程度を次の3段階に分類できる点も特徴だといいます。
- しらふ(sober)
- 中程度(moderate)
- 重度(severe)
鍵は“目の瞬き”や微細な顔の変化
主任研究者でECUの博士課程候補生のアブドラ・タリク氏は、システムが「瞬き」や「微細な顔の動き」、そして時間とともに進む顔特徴の変化を自動で捉えると説明しています。これらの“顔のダイナミクス(変化)”が、状態の見分けに重要だという考え方です。
呼気検査と違い「協力なしでリアルタイム監視」も可能に
研究チームは、この方法が従来の呼気検査器(いわゆるブレス検査)と異なり、ドライバーの協力がなくても継続的にリアルタイム監視できる点を強調しています。運転中に状態が変化する(眠気が強まる、感情が高ぶるなど)ケースを捉えたいという発想が透けて見えます。
暗所では「赤外線+カラー動画」の組み合わせが有効
関連する研究では、赤外線映像とカラー映像を組み合わせることで、低照度(夜間など)の環境でも検知性能が向上することが示されたとしています。夜間やトンネルなど、照明条件が不安定な状況での利用を見据えた工夫と言えそうです。
期待が集まる一方、実装には“線引き”も
今回の技術は、飲酒運転対策や居眠り運転防止に新しい選択肢を提示する一方で、実社会に入る段階では論点も増えます。たとえば、誤検知時の扱い、撮影・解析される顔情報の取り扱い(プライバシー)、運用主体(車載か、道路側か)などです。
「非接触で見守れる」ことは便利さと表裏一体でもあります。安全性の向上と、監視の範囲・目的の透明性。その両方をどう設計するかが、今後の議論の中心になりそうです。
Reference(s):
Australian researchers develop AI to detect risky driving by faces
cgtn.com








