南ア、米大使を呼び出し 「非外交的発言」めぐり説明要求
南アフリカ政府は2026年3月12日までに、米国大使レオ・ブレント・ボーゼル3世を外務当局に呼び出し、「非外交的発言」について説明を求めました。発端は、南アの解放闘争に由来する唱和「Kill the Boer」を大使がヘイトスピーチだと述べたことです。
何が起きたのか:唱和を「ヘイト」と位置づけた発言
ボーゼル大使は今週10日(火)に、「Kill the Boer」はヘイトスピーチに当たるとの趣旨の発言を行い、物議を醸しました。一方で、南アの裁判所はこれまで、この唱和が直ちにヘイトスピーチには当たらないと判断しているとされています。
外相が説明要求:訪問先での発言も問題視
ロンald・ラモラ外相は声明で、大使を呼び出して説明を求めたと明らかにしました。声明では、大使がアパルトヘイト博物館やディストリクト・シックスなど、南アの歴史を象徴する場所を訪問し、そこでの発言や対外的な関与のあり方が問題になった、という文脈も示されています。
大使は謝罪・遺憾表明、関係改善に含み
ラモラ外相によると、大使は南アの歴史には是正(レッドレス)が必要だと認め、政府と建設的に協力する意思を示したとされています。さらに外務の高官ゼイン・ダンゴール氏は、大使が発言について謝罪し、遺憾の意を表したと述べました。
背景:米南ア関係は貿易と外交で摩擦が続く
今回の呼び出しは、ドナルド・トランプ大統領の2期目に入り、貿易や外交をめぐって米国と南アフリカの関係が悪化している状況の中で起きたとされています。両国間の緊張が高まる局面では、文化・歴史認識に触れる発言が外交問題へ発展しやすく、当局者の言葉選びがいっそう注目されます。
読み解きポイント:外交で「言葉」が持つ重さ
- 国内判断とのズレ:裁判所判断があるテーマに、国外の外交官が別の評価を示すと摩擦になりやすい。
- 歴史施設での発言:象徴性の高い場所でのコメントは、国内世論に直結しやすい。
- 関係悪化局面の連鎖:貿易・外交での不信があると、単発の発言も「姿勢の表れ」と受け止められやすい。
今回の件は、表現や記憶をめぐるセンシティブな論点が、外交の現場でどのように扱われるのかを改めて浮き彫りにしました。謝罪と説明で沈静化に向かうのか、それとも二国間の溝が別の論点に波及するのか、今後のやり取りが焦点になります。
Reference(s):
South Africa calls in new US ambassador over 'undiplomatic remarks'
cgtn.com








