イスラエル、レバノンでの戦闘拡大を準備 ベイルート攻撃とロケット応酬で緊張
2026年3月12日、イスラエルはレバノンのヒズボラに対する「作戦」を拡大する準備を進めていると明らかにしました。ベイルートへの夜間攻撃や、ヒズボラによる大量ロケット発射、さらにイランへの空爆も重なり、地域全体の緊張が一段と高まっています。
何が発表されたのか:作戦拡大の準備
イスラエルのイスラエル・カッツ国防相は3月12日(木)、高官との状況評価会議で、ベンヤミン・ネタニヤフ首相とともに軍へ「レバノンでのIDF(イスラエル国防軍)作戦を拡大する準備」を指示したと述べました。目的については「北部のコミュニティの平和と安全を回復するため」と説明しています。
ベイルートへの攻撃:死者8人と報告
発表と同じ流れの中で、イスラエルはレバノンの首都ベイルートを夜間に再び攻撃しました。レバノン当局は、少なくとも8人が死亡したと報告しています。市街地への攻撃は軍事面の効果だけでなく、市民生活や政治判断にも大きな影響を与えやすく、事態の見通しをさらに難しくします。
ロケット約200発、警報は北から南まで
イスラエル軍報道官によると、ヒズボラは3月11日夜から12日にかけて、レバノンから約200発のロケットを発射しました。うち3回は、イランからのミサイル攻撃と同時に行われたとしています。
警報はイスラエル北部から、紅海沿岸の南部リゾート都市エイラトまで広範囲で鳴ったとされます。警察は北部と中部で建物2棟が損傷したと発表し、救急当局マゲン・ダビド・アドムは2人が軽傷としています。
イランへの「大規模な攻撃の波」も
また3月12日、イスラエル軍は戦闘機がイラン各地の政府インフラに対し「大規模な攻撃の波」を開始したと発表しました(詳細は説明していません)。レバノン正面とイランへの攻撃が同じ時間軸で語られることで、衝突が複数正面化している現実が浮かび上がります。
ここに至る背景:2月末の攻撃から連鎖
一連の動きは、2026年2月28日の米国とイスラエルによるイランへの共同攻撃に端を発する地域紛争の最新の激化と位置づけられています。この攻撃で、イランの前最高指導者アリ・ハメネイ師が死亡したとされています。
その後、レバノンの親イラン派シーア派組織ヒズボラは「報復」を理由に、イスラエルへロケットやドローンを発射。イスラエルはレバノン南部とベイルートへの大規模な攻撃で応じ、3月3日には部隊がレバノンに越境し国境近くの複数地点を掌握したとされています。
今後の焦点:拡大の「範囲」と、抑止の「出口」
- 地上作戦の拡大有無:準備の次に何が起きるかで、被害規模と政治的帰結が大きく変わります。
- 同時多発の応酬:レバノンとイランの動きが連動するほど、偶発的な拡大リスクは増します。
- 市民への影響:ベイルートの死者報告や建物損傷は、軍事目標を超えて日常を揺さぶる要素です。
「安全の回復」を掲げる側と「報復」を掲げる側の論理が正面衝突する局面では、次の一手が“目的の達成”ではなく“さらに大きな目的の追加”を呼び込みがちです。いま起きているのは、その境界線が見えにくくなる瞬間なのかもしれません。
Reference(s):
cgtn.com








