イラン新最高指導者が「ホルムズ海峡は閉鎖維持」示唆、戦線拡大にも言及
世界の原油輸送の要衝「ホルムズ海峡」を、圧力手段として閉鎖し続ける考えをイランの新最高指導者が支持したとされ、軍事衝突の長期化がエネルギー市場と海上輸送に影を落としています。
何が起きたのか:新最高指導者の初の公の発言
イランの新最高指導者モジュタバ・ハメネイ師(56)は2026年3月12日(木)、継続する米・イスラエルによる攻撃でイラン人が死亡したことへの報復を宣言し、ホルムズ海峡の閉鎖を「敵対勢力への圧力手段」として支持する立場を示したとされています。
同氏は、暗殺された父アヤトラ・アリ・ハメネイ師の後任として就任して以降、今回が初の公の発言だとされています。
発言のポイント:地域の米軍基地への攻撃、さらに「新たな戦線」
- イラン人の死亡に対し「報復」を誓う
- 「地域の全ての米軍基地を攻撃する」と表明
- 米国とイスラエルとの紛争で、さらに「新たな戦線」を開く可能性に言及
「敵が脆弱で未熟な」場所で新たな戦線を開くための検討が進んでいるとも述べ、戦闘が続く場合にイランの利益に資する形で実行される、という趣旨の発言をしたとされています。
背景:2月28日に始まった米・イスラエルの軍事作戦が激化
今回の発言は、米・イスラエルの軍事作戦が2026年2月28日に開始され、その後も空爆が継続・激化しているとされる状況下で出てきました。報道されている攻撃対象には、イランの核関連施設、ミサイル施設、海軍資産、指揮系統などが含まれます。
一方でイランも、イスラエル領内や中東各地の米国資産に対して報復攻撃を行っているとされています。
ホルムズ海峡「閉鎖」発言が持つ重み
ホルムズ海峡は、原油輸送にとって極めて重要な海上交通の要所として知られます。閉鎖が現実味を帯びるほど、次のような連鎖が起きやすくなります。
- 海上輸送の不確実性:航路変更や運航リスクの増大
- 市場心理の悪化:原油・エネルギー価格の変動要因に
- 衝突の拡大リスク:軍事的な偶発事態や報復の応酬が起きやすくなる
食い違う見通し:米国は「終わりが近い」/イスラエルは「まだ終わらない」
米国のトランプ大統領は記者団に対し、戦争は「まもなく終わる」とし、米国はすでに大きな勝利を収め、イランに「標的はほとんど残っていない」と述べたとされています。
これに対し、イスラエル側は作戦の継続姿勢を繰り返し示し、ネタニヤフ首相は対イラン作戦について「終わりは遠い」と述べたとされています。
これからの焦点:海上リスクと戦線の広がり
現時点での焦点は、(1)ホルムズ海峡をめぐる実際の行動がどこまで進むのか、(2)イランが示唆する「新たな戦線」がどの地域・どの形を指すのか、(3)米・イスラエル双方の「終結観」のズレが現場の行動にどう影響するのか——の3点になりそうです。
軍事と海上交通、そしてエネルギー市場が一体で揺れる局面だけに、各国・各企業は“ニュースの一報”ではなく、発言の積み重ねと現場の変化をセットで見ていく必要がありそうです。
Reference(s):
Iran's new supreme leader says Strait of Hormuz should stay closed
cgtn.com








