米財務省、ロシア産原油制裁を30日緩和 原油は100ドル割れ
米国財務省がロシア産原油をめぐる制裁を期限付きで緩和し、供給不安で高止まりしていた原油価格が13日朝(日本時間)に下落しました。中東情勢の緊張が続くなか、国際市場は「短期の供給増」と「地政学リスク」の綱引きに入っています。
何が発表されたのか:積み込み済み原油だけ、30日限定
米国財務省の外国資産管理室(OFAC)は12日、新たなライセンス(許可)を発行しました。これにより、2026年3月12日までに船舶へ積み込まれたロシア産の原油・石油製品について、各国が購入できる範囲が拡大されます。
- 対象:2026年3月12日までに積載されたロシア産原油・石油製品
- 期間:30日間
- 期限:米東部時間で2026年4月11日0時01分まで
スコット・ベッセント米財務長官は、世界的な供給の届く範囲を広げる狙いがある一方で、海上で滞留している分に限るなど、限定的で短期の措置だと説明しています。
原油価格はなぜ下がった?市場が反応した数字
ロイターによると、発表を受けて13日朝の取引で原油が下落しました。
- 北海ブレント:1バレル99.75ドル(0時23分GMT時点、前日比0.71ドル安)
- 米WTI:1バレル94.85ドル(同、前日比0.88ドル安)
今回の緩和は、制裁全体を大きく変えるというより、すでに積み込み済みで海上に滞留している供給を市場に回しやすくする内容です。短期的には需給の逼迫感を和らげる材料として受け止められました。
背景:中東の緊張とホルムズ海峡リスク
原油高の背景として、市場はここ数日、ペルシャ湾での製油所やタンカーへの攻撃激化を強く意識してきました。12日には、イランの新たな最高指導者であるモジュタバ・ハメネイ氏が、初の声明でホルムズ海峡の封鎖に言及したことも伝えられ、ブレントが再び100ドルを上回る場面がありました。
こうした地政学リスクがくすぶるなかでの制裁緩和は、供給面の不安を一時的に薄める一方、情勢次第では再び価格が跳ねやすい状況も残します。
直近の流れ:インド向けの例外から拡大へ
米国財務省は3月5日にも、インドの製油所に関するロシア産原油の制限を特定の形で免除していたとされます。今回はそれに続く動きで、対象を「海上で滞留している積み込み済み原油」に広げたかたちです。
政治の反応:米国内でも論点に
一方、ドナルド・トランプ米大統領は12日、エネルギー価格の上昇局面について、世界最大の産油国として米国は大きく稼げる趣旨の発言をしたと伝えられました。これに対し、民主党のマーク・ケリー上院議員(アリゾナ州)は批判的な見方を示しています。
今後の見どころ:期限後に「元に戻る」のか
今回の許可は期限が明確で、4月11日(米東部時間)で失効する設計です。市場の焦点は、(1)中東の輸送リスクがどこまで拡大するか、(2)期限後に同様の措置が延長されるのか、(3)海上滞留分がどの程度「実際の供給増」につながるのか、の3点に移りつつあります。
Reference(s):
cgtn.com








