イランIRGC「ホルムズ海峡は封鎖せず、管理下」—通航をめぐり緊張
世界の原油輸送の要衝・ホルムズ海峡をめぐり、イラン側が「封鎖はしていないが、管理下にある」と強調しました。海上輸送の“開いている/閉じている”だけでは測れない、通航の線引きが焦点になっています。
何が起きた? IRGC司令官が「封鎖ではない」と主張
報道によると、2026年3月14日(現地時間)に、イランのイスラム革命防衛隊(IRGC)海軍司令官アリレザ・タングシリ氏は、ホルムズ海峡について「軍事的に封鎖しているのではなく、単に管理している」とする趣旨の声明を出しました。
また、米国が「イラン海軍を破壊した」あるいは「石油タンカーの安全な護衛を提供している」といった趣旨で主張していることについて、タングシリ氏は「誤りだ」と述べたとされています。
外相は「海峡は開放」—ただし“例外”を明言
イランのアッバス・アラグチ外相も米国メディアに対し、ホルムズ海峡は国際航行に開かれている一方で、米国、イスラエル、およびその同盟国に属する船舶については例外だ、という考えを示しました。
外相は「ホルムズ海峡は開いている。攻撃してくる敵とその同盟国のタンカーや船舶に対してのみ閉じられている。他は通れる」という趣旨の発言をしたと伝えられています。
なぜ重要? 世界の原油の約5分の1が通る“チョークポイント”
ホルムズ海峡は、世界の原油の約5分の1が通過する戦略的な海上の要衝(チョークポイント)です。そのため「全面封鎖ではない」という表現であっても、特定の船舶に対する通航制限が現実味を帯びれば、エネルギー市場や海上保険、物流コストに波及し得ます。
さらに、報道では、最高指導者に就任したモジュタバ・ハメネイ氏が、最初のメッセージの中でホルムズ海峡への影響力(レバレッジ)を維持する考えを示したとも伝えられています。
米国側の反応:トランプ大統領「依存国が責任を」
米国のドナルド・トランプ大統領は同じく3月14日、ホルムズ海峡を通る石油輸送に依存する国々が、海峡を開放状態に保つ責任を負うべきだと促し、米国は支援する立場だと述べたとされています。
報道によれば、米国は、米・イスラエルによるイランへの共同攻撃と、それに伴う地域での米国資産への報復が続く中で、高止まりする原油価格を抑える狙いもあるとされています。
いまの焦点:「封鎖」ではなく「選別」がもたらす不確実性
今回の発言が示すのは、海峡が“物理的に閉じるか”ではなく、“誰が通れるのか”という選別の問題です。実務面では、次の点が注目されます。
- 通航の線引き:どの国・企業・船籍が「例外」に含まれるのか
- 航行のリスク認識:衝突回避や臨検の可能性を市場がどう織り込むか
- 価格とコスト:原油価格だけでなく、保険料・運賃・納期への影響
ホルムズ海峡は「開いている」という言葉の内側に、複数の“条件”が入り得る場所です。今後の発言の細部と、実際の通航状況のギャップが、次の緊張のサインになるかもしれません。
Reference(s):
IRGC commander: Strait of Hormuz not closed but under Iran's control
cgtn.com








