WHOとユニセフが警鐘:スーダンにおける医療施設攻撃の現実
2026年4月現在、紛争が長期化するスーダンにおいて、病院や診療所への攻撃が依然として後を絶たず、今年に入ってもその傾向に歯止めがかかっていません。世界保健機関(WHO)と国連児童基金(ユニセフ)は、医療従事者や患者の安全が脅かされる状況を強く懸念し、国際人道法に基づく保護の徹底を改めて呼びかけています。このニュースを読み解く鍵は、単なるインフラの被害にとどまらない、地域医療システムへの構造的な影響にあります。
2026年も続く攻撃の規模とデータ
WHOの検証によると、紛争開始以来、スーダンでは少なくとも214件の医療施設への攻撃が確認されています。これにより、2,042人が死亡し、785人が負傷したと報告されています。状況は今年に入っても変わっていません。2026年第1四半期だけで13件の攻撃が記録され、その間に184人の死亡と295人の負傷が確認されています。
直近では、以下の事案が相次いでいます。
- 4月2日:ホワイトナイル州コスティ町南西にあるアル・ジャバライン教學病院が攻撃され、施設長を含む医療スタッフ10人が犠牲に。救急室と手術室は完全に破壊されました。
- 3月~4月初頭:ブルーナイル州のクルムク教學病院やラバクの医薬品倉庫への攻撃が発生。さらにアル・ダエイン・アル・ウスラ病院では、医療従事者への暴行が報告されています。
子供と地域が失う「安全な場所」
病院が機能しなくなることは、建物の損壊以上に深刻な意味を持ちます。ユニセフのスーダン代表は、攻撃が子供たちの権利を著しく侵害していると指摘します。予防接種や緊急治療、発育支援を受けられなくなることで、最も支援を必要とするタイミングで子供たちが孤立するためです。
スーダンWHO代表のシブレ・サクバニ氏は、「医療を提供する側も求める側も、命の危険を冒して行動せざるを得ない状況は断じて容認できません。これらの攻撃は、最も必要な時期に不可欠なサービスへのアクセスを制限することと同義です」と述べています。スタッフの減少とインフラの損傷は、すでに脆弱化していた地域の医療網をさらに追い込みます。
人道法と未来のケアを巡る課題
国際人道法では、武力紛争下における医療施設・従事者・患者の保護が明確に規定されています。しかし現実には、攻撃が繰り返されるたびに、地域が依存してきた救命の経路が断たれていきます。両機関はすべての関係当事者に対し、医療サービスの尊重と保護、民間人の安全確保、そして妨げのないアクセスの維持を求めています。
統計数字の背景には、治療を待ち続ける住民と、現場で支えようとする医療従事者の姿があります。衝突が続く環境下で、いかにして命を支える仕組みを維持し、国際的な合意を現実に結びつけるか。持続可能な解決に向けた対話と実践が、静かに、しかし確実に問われています。
Reference(s):
WHO, UNICEF warn of escalating attacks on health facilities in Sudan
cgtn.com








