米イラン、和平合意へ前進か?トランプ大統領が「概ね合意」と発表、イランは慎重な姿勢を維持
米国とイランの間で、緊張状態を解消するための和平合意が現実味を帯びてきました。トランプ大統領が合意が「概ねまとまった」と発表した一方で、イラン側は強い警戒感を崩しておらず、中東情勢の行方に世界が注目しています。
トランプ大統領が語る「合意への前進」
米国の中央時間で土曜日、ドナルド・トランプ大統領は自身のSNS「Truth Social」への投稿を通じて、イランとの和平合意が「概ね交渉された(largely negotiated)」ことを明らかにしました。
トランプ大統領によると、この合意は米国とイランだけでなく、中東の他の関係国との最終的な調整が必要であるとしています。特に注目すべき点として、ホルムズ海峡の開放が合意の一部に含まれていると言及しました。また、トランプ大統領は湾岸諸国のリーダーやイスラエルのネタニヤフ首相とも電話会談を行い、現状のレビューと調整を行ったとしています。
根深い不信感とイラン側の慎重な構え
一方、イランのマスード・ペゼシュキアン大統領は、非常に慎重な姿勢を崩していません。パキスタン軍のアシム・ムニール参謀総長との会談において、ペゼシュキアン大統領は次のように述べています。
- 米国による過去の約束違反が繰り返されてきたことへの不信感
- 交渉中に行われた米国による攻撃や、当局者の殺害に対する警戒
- 国家の利益と国民の正当な権利を最優先に守る必要性
ペゼシュキアン大統領は「戦争は誰の利益にもならず、地域と世界に損失をもたらすだけだ」と述べ、平和への意向は示しつつも、過去の経験から「最大限の注意」が必要であると強調しました。
合意への壁となる「3つの懸案事項」
外交的な動きがある一方で、実務的な課題は依然として残っています。イラン側の準公的通信社ファルス(Fars)が報じたところによると、米国側が柔軟な姿勢を示さなければ、交渉は失敗に終わる可能性があるといいます。
特にイラン側が譲れないとしているのは、以下の3点だとされています。
- 現段階での核プログラムに関する議論の拒否
- 交渉開始前の凍結資産の解放
- ホルムズ海峡の管理権限の継続的な保持
これらの深刻な不一致が解消されない限り、実質的な交渉は進まないという厳しい見方も出ています。
これまでの経緯:衝突から停戦、そして交渉へ
今回の交渉に至るまでには、激しい衝突の歴史がありました。2月28日に始まった米国およびイスラエルによる攻撃に対し、イラン側も応戦。40日間にわたる戦闘が続いた後、4月8日にようやく停戦に合意しました。
その後、4月11日から12日にかけてパキスタンのイスラマバードで和平会談が行われましたが、この時は合意に至りませんでした。しかし、ここ数週間、パキスタンの仲介によって、紛争終結に向けた条件を盛り込んだ複数の提案プランが両国間でやり取りされていたと伝えられています。
信頼関係が崩れた国家同士が、どのようにして「共通の利益」を見出し、持続可能な平和を構築できるのか。中東の地政学的なバランスを大きく変えうるこの交渉の結末が待たれます。
Reference(s):
US says peace deal 'largely' negotiated, Iran vows to defend interests
cgtn.com



