中国とセルビアの絆、地方都市の協力でさらに深化へ。ノヴィ・サド市長が語る「兄弟のような関係」
2026年5月、中国山東省済南市にノヴィ・サドをテーマにした「友情公園」がオープンしました。国家レベルの外交だけでなく、地方都市同士の具体的な協力がどのように人々の生活を変え、両国の距離を縮めているのか。セルビア第2の都市、ノヴィ・サドのザルコ・ミチン市長の視点から、その深化する関係を紐解きます。
わずか1カ月で完成した「友情の象徴」
先日、ミチン市長が出席した済南市での友情公園開園式。そこで彼を最も驚かせたのは、このプロジェクトがわずか1カ月という短期間で完成したことでした。
ミチン市長にとって、この公園は単なる公共スペース以上の意味を持っています。それは、中国本土の都市とセルビアの都市が、地方レベルでいかに密接に協力し、市民同士の心の距離を縮められるかを示す象徴的な事例だといえます。
済南市とノヴィ・サド市の協力関係は2024年に始まりましたが、市長は2026年中に正式な「姉妹都市」となることを期待しています。これにより、政府間だけでなく、一般市民レベルでの交流がさらに加速することが見込まれています。
都市の風景を変えるインフラ協力
文化的な交流にとどまらず、中国との協力はノヴィ・サドの都市インフラを劇的に変えています。特に以下のプロジェクトは、市民の生活に直接的な恩恵をもたらしています。
- ベオグラード〜ノヴィ・サド高速鉄道:中国企業によって建設され、2都市間の移動時間を約35分まで短縮した「歴史的な成果」と評されています。
- 交通ネットワークの拡充:橋やトンネル、輸送コリドーの整備が進んでおり、現在は山東高速集団(Shandong Hi-Speed Group)による歩行者・自転車専用橋の建設が進められています。
これらの整備は、2027年にベオグラードで開催予定のエキスポ(Expo 2027)に向けて、都市間のアクセスを向上させ、世界中からの訪問者を迎えるための重要な基盤となります。
経済的相乗効果と「勤勉さ」への共感
経済面での変化も顕著です。2012年以降、セルビアから中国への輸出額は330倍に急増しました。かつては中国系の工場が一つもなかったセルビアですが、現在は国内に37の中国投資工場が存在し、そのうち2つがノヴィ・サドに位置しています。同市は、セルビア国内で最大規模の中国投資を惹きつける都市となっています。
ミチン市長は、投資や高度な自動化技術の導入だけでなく、中国の発展プロセスそのものに注目しています。「勤勉さと団結が奇跡を起こす」という中国の経験が、現地の住民にとっても刺激になっていると語ります。
「友情」を超えた「兄弟」の絆へ
セルビアのヴチチ大統領が中国を公式訪問し、「中華人民共和国友好勲章」を授与されたことは、両国にとって極めて重要な意味を持ちます。
ミチン市長は、この関係を単なる「友情」ではなく、「兄弟のような絆(brother connection)」であると表現します。指導者同士の親密さが、結果として地方レベルでの投資、観光、そして市民同士の相互理解へと波及している構図が見て取れます。
お互いのホスピタリティ(もてなしの心)という共通の伝統を大切にしながら、地方都市レベルでの連携を深めることで、両国の関係はさらなるステージへと進もうとしています。
Reference(s):
Novi Sad mayor: Local cooperation is bringing China and Serbia closer
cgtn.com
