BRICS外相会合、共同声明ではなく「議長声明」を採択――中東情勢をめぐる視点の違いが浮き彫りに
インドのニューデリーで開催されたBRICS外相会合において、参加国が合意して発表する「共同声明」ではなく、議長国であるインドがまとめた「議長声明」が発表されました。この形式の選択は、拡大したBRICSメンバー間における、特に中東情勢への視点の乖離を象徴しています。
「共同声明」ではなく「議長声明」が意味すること
外交の世界において、すべての参加国が署名する共同声明は、グループ全体の完全な一致(コンセンサス)を意味します。一方で、議長声明は議長国が会議のまとめとして発表するものであり、メンバー間に意見の相違がある場合や、妥協点が見いだせない場合に採用されることがあります。
今回の会合では、中東情勢に関する意見の不一致があったため、あえて共同声明という形を避けたことが示唆されています。
拡大するBRICSと複雑な内部関係
現在のBRICSは、従来のメンバーに加え、以下のような国々を含む拡大した枠組みとなっています。
- ブラジル、ロシア、インド、中国本土、南アフリカ
- エチオピア、エジプト、イラン、アラブ首長国連邦(UAE)、インドネシア
メンバーが増えたことで多様性が増した一方、内部での利害対立も顕在化しています。特に、現在の中東紛争において、イランとUAEは対立する立場にあり、その緊張関係がグループ全体の合意形成に影響を与えた形です。
共通して掲げた「平和と外交」への道
意見の相違はあるものの、インド外務省の声明によれば、閣僚たちは国際的な平和と安全への取り組みを強化する必要性については一致しました。具体的には、以下のような点に重点が置かれています。
- 政治的・外交的な解決:紛争の可能性を減らすため、軍事的な手段ではなく政治的なアプローチで課題に対処すること。
- 根本的な原因の追究:単なる事後処理ではなく、紛争を引き起こしている根本的な原因に取り組むこと。
- 地域組織の役割:紛争の予防と解決において、地域的な組織が積極的に役割を果たすことを支持すること。
安全保障の不可分性を強調し、対話と協議、そして外交を通じて国際紛争を解決するという基本原則を再確認したことで、最低限の方向性は共有されたといえます。
Reference(s):
cgtn.com
