米トランプ大統領、イラン合意に「急ぐ必要はない」と慎重姿勢。ホルムズ海峡の緊張は継続か
米イラン間の緊張が続く中、ドナルド・トランプ米大統領が、イランとの新たな合意に向けて「急ぐ必要はない」との考えを明らかにしました。エネルギー価格や世界経済に直結するホルムズ海峡の封鎖を巡り、両国の駆け引きが激化しています。
「妥協なき姿勢」を強調するトランプ政権
トランプ大統領は自身のSNS「Truth Social」への投稿で、代表者に対し、イランとの合意を急がないよう指示したことを伝えました。特に、戦略的に重要なホルムズ海峡におけるイラン船舶への封鎖措置については、「合意がなされ、認証され、署名されるまで、引き続き全面的に実施される」と明言しています。
また、マルコ・ルビオ国務長官は、イランがホルムズ海峡を再開放すれば「非常に真剣な協議」に入る準備があるとしています。ただし、核問題のような複雑な課題は短期間で解決できるものではなく、段階的なアプローチが必要であるとの見方を示しました。
- ルビオ氏の警告: 交渉が2カ月以内に成果を上げない場合、大統領が現在持っているあらゆる選択肢(攻撃を含む)を検討する可能性があると示唆。
- イスラエルの視点: ネタニヤフ首相は、最終的な合意は「核の脅威を完全に排除するもの」でなければならないと主張しています。
核開発の否定と凍結資産を巡る対立
一方のイラン側は、核兵器の追求を否定しつつも、交渉条件を巡って米国と対立しています。マスード・ペゼシュキアン大統領は国営テレビに対し、「核兵器を求めていないことを世界に保証する準備がある」と述べました。
しかし、タスニム通信などの報道によれば、以下の点が大きな障壁となっています:
- 凍結資産の解放: 海外銀行に凍結されている数十億ドル規模の石油収入の返還。
- 制裁の解除: 経済活動を圧迫している米国による制裁の撤廃。
- 核問題への対応: 現段階では核問題に関する具体的な譲歩は受け入れられないとしています。
世界経済を揺さぶる「海峡の停滞」
今回の紛争が世界的に注目される最大の理由は、ホルムズ海峡というエネルギーの急所にあります。イラン革命防衛隊によると、直近24時間で海峡を通過した船舶は33隻に留まっており、紛争前の通常時(1日あたり約140隻)を大幅に下回っています。
この物流の停滞は、単なる原油価格の上昇に留まらず、燃料や肥料、そして食料価格の押し上げという形で世界的なエネルギー危機を引き起こしています。アブダビ国立石油会社(ADNOC)のスルタン・アル・ジャベル氏は、たとえ今すぐに紛争が終結したとしても、海峡の流量が完全に回復するのは2027年の第1四半期か第2四半期になると予測しています。
地域的な模索と不透明な先行き
こうした緊迫した状況の中、オマーンが仲介役としての動きを見せています。オマーンの外相らがイラン代表団と会談し、ホルムズ海峡における航行の自由と地域の安定に向けた話し合いが行われました。
トランプ大統領は、国内のエネルギー価格上昇による支持率への影響や、議会による戦争権限の制限という内政上の課題を抱えています。4月初旬から不安定な停戦状態にありますが、経済的利害と安全保障上の譲れない線が交錯し、真の解決への道のりは依然として険しい状況です。
Reference(s):
Trump says 'no rush' on Iran deal, Tehran denies seeking nukes
cgtn.com



