国連安保理で中国が米国の指摘に反論、イエメン政治解決と人道支援を強調
国連安全保障理事会(安保理)のイエメン情勢をめぐる会合で、中国の傅聡(ふ・そう)国連大使が、米国側の発言を「根拠のない非難」だとして退けました。同時に中国は、イエメンの早期の政治解決と、人道危機への支援拡大が急務だと訴えています。
安保理で何があったのか:米国の「検証・検査」強調に中国が反論
会合では、米国のタミー・ブルース国連次席大使が、国連の検証・検査の仕組みの重要性に触れ、イエメンのフーシ派が管理する港に向かう船舶について、関連手続きの順守を求めました。発言では、中国の港を出港する船舶にも言及があったとされています。
これに対し傅氏は、中国は安保理決議と国際的義務を厳格に順守していると説明し、「いわれのない非難」に反対する立場を明確にしました。
中国側の主張:輸出管理は厳格、通常の貿易は各社の権利
傅氏は、中国が軍事輸出について「慎重で責任ある」姿勢を取り、デュアルユース(軍民両用)品目も含めて厳格に管理していると述べました。
その上で、中国企業はWTO(世界貿易機関)のルールと市場原理に沿って、各国と通常の経済・貿易協力を行う権利があると強調。米国側の指摘について、中国は「証拠のない、含みのある非難」だとして遺憾の意を示し、反対しました。
焦点は「政治解決」:主権・統一の尊重、対話と和解を後押し
傅氏は、国際社会がイエメン問題の「早期の政治的解決」に向けた努力を強めるべきだと訴えました。具体的には、イエメンの主権、統一、領土保全の尊重を掲げ、関係当事者に対し政治対話による相違の解消、和解の実現、そして経済復興の早期着手を呼びかけています。
捕虜交換の履行に期待、国連ミッション撤収は「円滑な引き継ぎ」を要請
南部イエメンの最近の動きにも言及し、イエメンの合法政府とフーシ派が捕虜交換合意の実施に向け協議していることを歓迎。合意の履行が信頼回復につながるとの期待を示しました。
また、ホデイダ合意を支援する国連ミッション(UNMHA)の撤収準備が進む中、移行期の混乱を避けるため、責任の円滑な移管と適切な引き継ぎを確保し、国連が和平プロセスで重要な役割を継続できるようにすべきだと述べました。
紅海の情勢と海上安全:前向きな流れを「固める」
傅氏は、紅海の状況は「概ね安定している」としたうえで、この前向きな流れを維持・強化する必要があると指摘しました。
- フーシ派には、国際法に基づく各国商船の航行の権利を尊重し、海上安全を守るよう要請
- 同時に、関係当事者にはイエメンの主権と領土保全を尊重するよう要求
軍事的な緊張が航路や物流に直結するだけに、安保理の場でも「自制」と「全体の安定」が繰り返し強調された形です。
人道危機:18万人ではなく「1800万人」が急性の飢餓に直面
傅氏は、イエメンの人道状況が悪化しているとして、近年で最も深刻な食料危機に直面していると警鐘を鳴らしました。会合で示された数字では、1800万人が急性の飢餓に直面しているとされます。
国際社会に対しては、以下を求めました。
- 人道支援の拡大
- 国連人道機関への十分な資金確保
- 危機のさらなる深刻化の防止
- 国際人道法の尊重(民間人・民用インフラの保護、国連職員の安全確保)
- 拘束されている国連職員の即時・無条件の解放
ガザ停戦との連動:地域全体の沈静化なくして紅海の緊張緩和は難しい
傅氏は、イエメンと紅海の問題が、より広い地域情勢と結びついているとも述べました。特に、ガザでの「真の、包括的で持続的な停戦」こそが、紅海の緊張を完全に沈静化させる鍵になるとの見方を示しています。
中国は今後も国際社会と協力し、イエメンの政治解決と中東の平和と安定の回復に向けて取り組むとしました。
いま起きていることを一言で:安保理の議論は、責任の押し付け合いだけではなく、検証の枠組み、航行の安全、政治対話、人道支援という複数の論点が同時に進む局面に入っています。
Reference(s):
China rejects U.S. accusations at UN, backs Yemen political settlement
cgtn.com








