FIS会長、中国本土を冬スポーツ成長の「最前線」と強調 ミラノ・コルティナ大会で
現在開催されている2026年ミラノ・コルティナ大会の会期中、国際スキー・スノーボード連盟(FIS)のヨハン・エリアシュ会長が、中国本土を冬季スポーツの世界的成長を左右する中心市場として位置づけました。2022年北京冬季五輪の「レガシー(遺産)」が参加拡大を後押ししている、という見立てです。
「成熟市場」より「伸びしろ」──成長エンジンは中国本土
エリアシュ会長は、スイスやオーストリアなどの伝統的なスキー市場について「すでに飽和している」との認識を示し、競技人口や関心をさらに広げる余地が相対的に小さいと説明しました。
一方で中国本土については、冬季スポーツの普及と拡大に「大きな潜在力がある」と述べ、今後の成長の主戦場になるという見方を強調しました。
北京2022の遺産:「3億人」目標が風景を変えた
発言の核となったのは、2022年北京冬季五輪を契機に掲げられた「3億人が冬季スポーツに親しむ」という取り組みです。エリアシュ会長は、この目標が業界の前提を変えたと評価し、参加者と関心の増加が「劇的」だったと語りました。
会長が挙げたポイント(要旨)
- 欧州の一部はスキーが生活文化として定着し、成長余地が限られる
- 中国本土は新規参加や関心拡大の余地が大きい
- 大規模な普及目標が、競技の市場環境そのものを押し広げた
インフラの加速:リゾート数が「スイス超え」
エリアシュ会長は、普及を支える土台として施設整備の進展にも言及しました。中国本土は「現在、スイスよりも多くのウィンターリゾートがある」と述べ、従来の欧州中心のイメージを塗り替える勢いだと示唆しています。
こうした施設は、競技力強化のための「強い中国チーム」づくりだけでなく、草の根での参加拡大にもつながる基盤になる、という位置づけでした。
スター選手の波及力:谷愛凌、蘇翊鳴の存在感
急速な盛り上がりを語るうえで、エリアシュ会長が強調したのが「世界的スターの誕生」です。フリースタイルスキーの谷愛凌(グー・アイリン)については、国境を越えた影響力を持つ「ユニークな存在」だと評価し、トップ選手が人々の憧れや参加意欲を押し上げる構図を説明しました。
また、スノーボードの蘇翊鳴(スー・イーミン)らの近年の活躍にも触れ、目標を定めて計画的に実行する「強い集中力や決意」が競技結果につながっている、との見方を示しました。
FISと中国側の連携:指導とプログラム整備へ
FISは現在、中国スキー協会および中国オリンピック委員会と「緊密に協力」し、コーチングの専門性や育成プログラムの土台づくりを進めているといいます。競技の国際化が進むなかで、育成・強化の仕組みづくりが各地域の成長戦略と結びついている様子がうかがえます。
いま起きている変化をどう見るか
ミラノ・コルティナ大会の熱気の中で語られた「中国本土が冬季スポーツの成長を牽引する」という見立ては、競技の重心がどこへ移りつつあるのかを示すヒントにもなります。競技人口、施設、スター選手、育成システム――それぞれが連動するとき、冬季スポーツの地図はどんな形に描き変わっていくのか。今後の動きが注目されます。
Reference(s):
FIS President Eliasch: China is winter sports "frontier" to conquer
cgtn.com








