米国とメキシコがUSMCA見直しに向けた協議を開始、カナダは不在か
米国とメキシコが、北米自由貿易協定(USMCA)の刷新に向けた二国間協議を開始します。本来は3カ国による枠組みであるはずの協定見直しにおいて、発表の中でカナダへの言及がなかったことが、今後の北米貿易の行方に大きな波紋を呼びそうです。
3回にわたる集中協議のスケジュール
米国通商代表部(USTR)の発表によると、米国とメキシコは今後3回にわたる交渉ラウンドを設けています。具体的な日程と議題は以下の通りです。
- 第1回(今週): メキシコシティにて開催。ジェフリー・ゴットマン米国通商代表 deputyが主導し、「経済安全保障」および「主要工業製品の原産地規則」に焦点を当てます。
- 第2回(6月16日〜17日): ワシントンD.C.にて開催。「農業」および「公平な競争条件(レベル・プレイング・フィールド)」について議論される予定です。
- 第3回(7月20日の週): 再びメキシコシティにて開催される予定です。
米国が追求する「国内利益」の最大化
今回の刷新において、米国側が明確に掲げている目標は、USMCAが米国の国内産業に確実に利益をもたらすようにすることです。具体的には、以下の層へのメリットを重視しています。
- 製造業者、農家、牧場主、および労働者
- サービス提供業者
- 中小企業を含むあらゆる規模のビジネス
USTRの声明によれば、これらの主体が最大限に恩恵を受けられる体制を構築することが交渉の主眼となっています。
「カナダ不在」という異例の展開
USMCAはもともと、米国、メキシコ、カナダの3カ国による協定であり、今年中にそのレビュー(見直し)が行われる予定でした。しかし、今回のUSTRによる発表では、メキシコとの二国間協議については詳細に触れられている一方で、カナダとの協議に関する言及は一切ありませんでした。
通常、地域貿易協定の見直しは参加国全体で進められるものですが、あえて二国間の枠組みから着手したことで、北米内のパワーバランスや優先順位に変化が生じている可能性が示唆されています。カナダがこのプロセスにどのように合流するのか、あるいは別の形での調整が行われるのか、今後の動向が注目されます。
Reference(s):
Mexico, US set three rounds of USMCA trade talks without Canada
cgtn.com