スペイン、世界的不確実性の中で中国との「アップグレードされた協力」を確保
政治訪問に込められた経済的な意味
2026年4月11日、スペインのペドロ・サンチェス首相が中国本土を訪問しました。これは4年連続4回目の訪中となり、単なる儀礼的な外交を超えた意味を持ちます。
訪問の背景には、米欧間の摩擦の高まりや、世界経済の不確実性が横たわっています。そのような状況下で、スペインは中国との関係を「戦略的自律性」を追求する上での重要な柱と位置付け、具体的な経済協力の深化を図っているのです。
路上に広がる中国製EVの存在感
スペインにおける中国との経済協力の成果は、すでに日常生活の中で目に見える形で現れ始めています。スペインの都市部では、中国メーカーの新エネルギー車(NEV)を見かけることが以前よりずっと多くなりました。
- 2024年末:中国の自動車メーカー、奇瑞汽車(Chery)とスペインのパートナーによる合弁会社が、バルセロナで最初のモデルの生産を開始。
- 2025年7月:BYDのプラグインハイブリッド車がスペインの新車販売ランキングで首位に立ち、市場シェアの約10%を獲得。
次なる段階:産業協力とグリーン投資
消費市場に留まらず、産業レベルの協力も深まっています。中国からの投資は、エネルギー分野に広がり、太陽光発電(PV)、グリーン水素、車載用電池などの領域をカバー。さらに、人工知能(AI)といった新興産業での協力についても協議が進められています。
特に注目されるのは、2025年11月に起工式が行われた、世界最大の電池メーカーである寧徳時代新能源科技(CATL)と自動車大手ステランティスの合弁工場です。スペイン・アラゴン地域に建設されるこのリチウム鉄リン酸電池工場は、全ての電力を再生可能エネルギーで賄い、2026年末までに生産開始が予定されています。地域の関係者は、このプロジェクトを「長期的な経済成長のエンジン」であり、欧州の電気自動車(EV)サプライチェーンにおけるスペインの地位を強化する重要な一歩と評価しています。
拡大を続ける貿易の実績
両国間の貿易実績も、この関係の深さを裏付けています。2025年、中国とスペインの物品貿易額は550億ドルを超え、前年比9.8%の増加を示しました。中国は引き続き、欧州連合(EU)以外ではスペイン最大の貿易パートナーであり続けています。
グローバルな地政学的緊張や経済的不確実性が高まる中、スペインが継続的かつ多岐にわたる対中関係の構築を重視する姿勢は、国際政治経済における「多極化」と「現実的協力」の追求を象徴する動きの一つとして読むことができるでしょう。
Reference(s):
Spain seizes China's 'upgraded opportunities' amid global uncertainty
cgtn.com








