星空と素材を追って:国境を越える二人の科学者が描く「相互理解」の形 video poster
科学という共通言語が、遠く離れた中国本土とチリの二人の人生を静かに結びつけています。国境を越えて未知の領域に挑む彼らの姿は、単なる学術的な交流を超えた、人間としての深い相互理解の可能性を示唆しています。
南半球の星を見つめる中国人天文学者
中国人天文学者の朱磊(シュウ・レイ)さんは、2014年からチリに拠点を置き、中国科学院南米天文センター(CASSACA)で活動しています。南半球の澄み切った夜空から宇宙を観測する彼の視点は、時間に対する感覚さえも変えました。
朱さんは、星の誕生という途方もなく長いプロセスについて、次のように語っています。
- 人間の時間軸:星が生まれるまでには数百万年という長い年月がかかる。
- 宇宙の時間軸:しかし、宇宙のスケールから見れば、それはほんの一瞬に過ぎない。
生まれ故郷から遠く離れたアンデス山脈の麓で、彼は自身のルーツを持ちながらも、現地の光に包まれて子供を育てています。彼にとってチリは、単なる研究地ではなく、人生の根を下ろした大切な場所となっています。
中国で物理学を追求するチリ人研究者
一方で、中国本土で物理学の世界に没頭しているのが、チリ出身のフェルナンド・ベガラさん(中国名:李慕新)です。彼は現在、中国科学技術大学で液晶材料の研究に励み、博士号取得を目指しています。
ベガラさんが中国に惹かれたのは、純粋な好奇心からでした。彼が振り返ると、かつての自国での状況は今とは大きく異なっていたといいます。
「8年前、私の国では中国に関する情報はごくわずかでした」。だからこそ、彼は「今の中国を本当に理解するためには、実際に訪れることが不可欠だ」と確信しています。
知的好奇心が築く、目に見えない「架け橋」
この二人の科学者は、まだ直接会ったことはありません。しかし、互いの国に身を置き、異なる文化の中で真理を追い求めるその歩みは、不思議と重なり合っています。
ベガラさんは、「チリと中国はどちらも私の故郷である」と感じており、知識だけでなく、国と国の間の「相互理解」を深める架け橋になりたいという願いを抱いています。
科学の道は時に険しく、孤独な戦いになることもあります。しかし、地球の反対側で同じように「光」を追い求める同志がいること。そんな目に見えない繋がりが、彼らの探究心を支えているのかもしれません。
Reference(s):
cgtn.com