中国とフランス、EV貿易摩擦の解決へ協議強化 EU調査巡り対話呼びかけ
中国の王文涛商務相は、欧州連合(EU)が進める中国製電気自動車(EV)への反補助金調査を巡り、フランスに対し、欧州委員会に対話と歩み寄りを促す「橋渡し役」を積極的に担うよう呼びかけました。
上海での中仏閣僚会談:CIIE開幕前に協議
会談は今週、上海で開幕する第7回中国国際輸入博覧会(CIIE)を前に、日曜日に上海で行われたものです。中国商務省によると、王文涛商務相とフランスのソフィー・プリマ対外貿易・在外フランス人担当大臣(欧州・外務大臣付)が向き合い、通商を巡る課題と協力の可能性を話し合いました。
今年は中国とフランスの国交樹立60周年に当たり、フランスはCIIEの主賓国として再び招かれています。王氏によれば、今年の博覧会にはEU加盟国の中で最多となる100社を超えるフランス企業が参加を予定しており、中国市場への関心の高さを示しているといいます。
焦点はEV反補助金調査 「産業協力に深刻な影響」
王氏は、EUによる中国製EVへの反補助金調査が、中国とEUの自動車産業の協力を「著しく妨げている」と強い懸念を表明しました。これは現在、双方の産業界にとって重大な懸案となっており、中国と欧州委員会の技術チームは、すでに2回目となる協議を進めていると説明しました。
反補助金調査とは、相手国の政府補助によって自国産業が不公正な競争にさらされていないかどうかを調べる仕組みです。EVは自動車産業の電動化を左右する重要分野であるだけに、調査の行方は世界のサプライチェーンにも影響を与えかねません。
中国側のメッセージ:対話とWTOルール順守を強調
王氏は、中国とEUの通商摩擦は「事実の尊重」と「世界貿易機関(WTO)ルールの順守」を前提に、対話と協議によって解決すべきだと強調しました。
そのうえで王氏は、EUが行っているEVの反補助金調査は産業界からの申立てなしに開始された一方で、中国側がブランデー、豚肉、乳製品など特定のEU産品を対象に行っている貿易救済調査は、中国国内の産業団体からの要請に基づき、WTOルールと中国の法律・規則に沿って開始されたものだと説明しました。
中国は今後も、これらの調査を法律と規則に従って進め、フランスを含むEU加盟国の企業の合法的権益を保護し、証拠と事実に基づいて結論を出していくとしています。さらに王氏は、中国が欧州委員会と協力し、EV問題を含む通商摩擦に「適切な解決策」を見いだす用意があると述べました。
- EV反補助金調査が中EUの自動車産業協力を阻害しているとの認識
- 中国側の貿易救済調査は国内産業からの要請に基づき開始されたと強調
- WTOルールと中国法に基づき、公正かつ証拠に根ざした判断を行うと説明
- 欧州委員会と共に、対話を通じて妥当な解決策を模索する姿勢を表明
フランスの立場:関係強化を維持しつつ懸念も表明
一方、プリマ氏は、中国との経済・貿易関係を一層深めていくというフランスの揺るぎない姿勢をあらためて表明し、CIIEで再び主賓国を務めることへの喜びを示しました。
フランスにとって農産品や食品は対中貿易の中核をなす分野であり、中国がEU産ブランデーなどを対象に進める調査に対して、大きな関心と懸念を抱いていると述べました。
プリマ氏は、現在のEUと中国の通商摩擦がこれ以上エスカレートすることは望まないとし、双方が協議を通じて貿易紛争を解決していくことへの期待を示しました。
今年60周年の中仏関係、EV摩擦は試金石に
今年は中国とフランスの国交樹立から60年の節目であり、フランスはCIIEで最多の参加企業数を誇るEU加盟国となる見通しです。こうした記念の年にEVを巡る摩擦が表面化していることは、両国にとって同時にリスクとチャンスを意味します。
今回の会談からは、次のようなポイントが浮かび上がります。
- 中国は、対話とWTOルールに基づく解決を前面に掲げつつ、自国産業の要請に応じた貿易救済措置も重視していること
- フランスは、中国市場への関心を維持しながらも、自国の主力輸出品である農産品・食品の扱いに敏感になっていること
- EVや農産品といった象徴的な分野が、中国とEUの関係全体を左右しかねない試金石となりつつあること
中仏両国の閣僚が上海で示したのは、利害が対立する局面でも対話の窓を開き続けようとする姿勢でした。今週開幕するCIIEは、EVや農産品を巡る緊張を乗り越え、実務レベルでどこまで協力の糸口を見いだせるかを探る舞台にもなりそうです。
Reference(s):
cgtn.com








