トランプ次期大統領「TikTokを少しの間は残す」 米最高裁は売却法の是非を審理へ
動画共有アプリTikTok(ティックトック)を巡り、米国の次期大統領ドナルド・トランプ氏が「しばらくの間は残すかもしれない」と発言しました。TikTok側が求める新法の執行停止について、米連邦最高裁が審理に入ることを決めた直後で、国際ニュースとして世界の注目が集まっています。
本記事では、このTikTokを巡る国際ニュースを、日本語で分かりやすく整理します。
トランプ氏「TikTokは選挙で役に立った」
トランプ氏は日曜日、米アリゾナ州フェニックスで開かれた保守系団体「Turning Point USA(ターニングポイントUSA)」主催のイベント「AmericaFest(アメリカフェスト)」で演説しました。
その中で、若者を中心に人気のSNSアプリTikTokが今回の大統領選で支持拡大に貢献したと振り返り、「TikTokにも登場したが、反応は素晴らしかった。再生数は数十億、数十億回にも達した」と述べました。
さらにトランプ氏は、スタッフから提示された視聴数のグラフを見た時の印象として「記録的な数字で、本当に美しいチャートだった。それを見て、『このサービスは少しの間は残しておくべきかもしれない』と思った」と、TikTokの運営継続に含みを持たせました。
TikTok売却を迫る法律、最高裁が審理へ
一方で、TikTokの将来を左右する動きも加速しています。水曜日には、TikTokとその中国の親会社バイトダンスが、アプリの売却を事実上強制する米国の新法の執行停止を求めた件について、米連邦最高裁が審理を受け入れる決定を下しました。
この法律は、米国のジョー・バイデン大統領が4月に署名したもので、バイトダンスに対し、TikTokの売却を270日以内に完了するよう求めています。売却が行われない場合、アップルやグーグルなどのアプリストア事業者は、自社プラットフォームからTikTokを削除しなければならないと定めています。
バイデン政権は、安全保障上の懸念を理由にこの法律を後押ししましたが、TikTok側は、こうした懸念は根拠がなく、特定のアプリだけを標的にする不当な措置だと主張しています。5月には、TikTokが米政府を相手取り、法律の差し止めを求める訴えを起こしました。
しかし12月初め、ワシントンD.C.の連邦控訴裁判所は、TikTok側の「この法律は違憲だ」とする主張を退けました。これを受けてTikTokは、連邦最高裁に対し、売却か禁止かを迫る法律の執行を止めるよう求めていました。
争点は「表現の自由」か「安全保障」か
連邦最高裁は、来年1月10日に口頭弁論を開く予定で、TikTok側が訴える「表現の自由」の問題が中心的な争点になるとみられています。
TikTokは、法律が予定通り施行されれば、次の大統領就任式の前日に、米国で最も人気のある言論プラットフォームの一つが閉ざされることになると警告。政治、ビジネス、アートなど公共性の高い話題について発信している利用者を含め、「数多くの人々の声を沈黙させることになる」と訴えています。
一方で、米政府側は、外国企業が運営する巨大プラットフォームを通じて米国内のデータが流出したり、世論形成に影響が及んだりするおそれがあるとして、国家安全保障上のリスクを重視しています。国際ニュースとして、デジタル時代の主権や安全保障をどう守るかという大きなテーマも浮かび上がっています。
トランプ政権誕生後の行方は
トランプ氏はTikTokを「選挙戦に役立ったツール」として評価する一方、これまで外国企業による米国内のデジタルサービスを規制すべきだとする強硬な姿勢を示してきました。今後、次期政権がTikTokを巡る政策でどのような判断を下すのかは、依然として不透明です。
重要なのは、連邦最高裁の判断と、政権・議会による政策決定が重なり合い、プラットフォーム企業と利用者の「表現の自由」、そして国家の「安全保障」の線引きが改めて問われることです。
スマートフォンで日々TikTokや他のSNSを使う私たちにとっても、この議論は遠い国の話ではありません。巨大プラットフォームをどのようなルールで運営し、誰がどこまで介入できるのか――今回の国際ニュースは、デジタル社会のこれからを考えるきっかけになりそうです。
Reference(s):
cgtn.com








