トルドー首相と州首相が対米関税に共同声明 アルバータ州は署名拒否
米国のドナルド・トランプ次期大統領が、カナダから米国に入る全ての製品に25%の関税を課すと警告したことを受け、カナダのジャスティン・トルドー首相と各州・準州の首相らが、対米関税への対応をめぐる共同声明を発表しました。国内で足並みをそろえ、揺さぶりに備える狙いがあります。
トランプ次期大統領の「25%関税」発言とカナダの危機感
トルドー首相は水曜日、オタワで州・準州の首相らと会談し、トランプ氏が示した関税案への対応を協議しました。トランプ氏は、カナダが国境警備を強化しなければ、米国に入る全てのカナダ製品に25%の関税を課すとしています。
会談後、トルドー首相は記者団に対し、カナダの対応策について「どの選択肢も排除しない」と述べ、強い姿勢で臨む考えを示しました。
連邦と州・準州が示した共同方針とは
この日の会談を受け、連邦政府と州・準州の首相らは、米国による関税発動を防ぐために協力して行動するとの共同声明を発表しました。声明には、次のようなポイントが盛り込まれています。
- いかなる地域も、対抗措置の負担を「不均衡に背負わされるべきではない」と確認
- 企業や個人、さまざまな産業セクターを守るため、幅広い対応策を検討・実施する方針
- 仮にカナダが報復関税などの措置を講じる場合、労働者や企業の経済的打撃を緩和するための資金を迅速に提供する
- 米国との対話では、各州・準州の経済事情の違いを踏まえた「協調的なアプローチ」をとる
声明はまた、報復関税による歳入が生じた場合には、その資金をできるだけ早く分配し、影響を受ける現場への支援に充てるとしています。
アルバータ州だけが署名を拒否した理由
一方で、産油州のアルバータ州は共同声明に署名しませんでした。アルバータ州のダニエル・スミス州首相は、連邦政府が対抗策として、米国向けのアルバータ州産原油の輸出禁止に踏み切った場合、「国家の統一を揺るがす危機」になりかねないと警告しました。
エネルギー輸出が州経済の柱であるアルバータ州にとって、米国市場へのアクセスは死活問題です。連邦政府と州の利害のずれが、対米関税をめぐって表面化したかたちです。
就任後も続く協議と、カナダに突きつけられた課題
声明によると、州・準州の首相らは、来年1月20日のトランプ氏の大統領就任以降、毎週会合を開き、対米対応を協議していく予定です。トルドー首相も、就任当日には閣僚を集めた合宿形式の会合を開き、カナダの利益を守る戦略に集中すると発表しています。
今回の動きからは、最大の貿易相手国である米国の政策転換に対し、カナダが連邦と州・準州の連携を強めながら備えようとしている姿が見えてきます。一方で、アルバータ州のように地域ごとの利害の違いも浮き彫りになりました。
今後、カナダがどこまで国内の足並みをそろえ、米国との関係悪化を避けつつ自国の利益を守れるのか。対米関税をめぐる一連の動きは、カナダの外交だけでなく、国内政治の行方を占う試金石になりそうです。
Reference(s):
Canada's PM, premiers issue joint statement on potential U.S. tariffs
cgtn.com








