「中国抜きのグリーントランジションはない」ERG CEOが語る再エネと資源の現実 video poster
「中国抜きのグリーントランジションはない」。資源関連企業Eurasian Resources Group(ERG)のCEOで取締役会会長を務めるShukhrat Ibragimov氏が、2025年のダボス2025で中国の役割をこう語りました。中国による巨額の再生可能エネルギー投資と鉱物需要は、世界の脱炭素の行方を左右する存在になっています。
ダボス2025で示されたメッセージ
Ibragimov氏は、中国国際メディアCGTNのGuan Xin氏とのインタビューで、グローバルなクリーンエネルギー転換を語るうえで中国の存在を抜きにすることはできないと強調しました。
同氏によると、中国は鉱物資源の最大の消費者であり、世界のクリーンエネルギーへの移行を牽引する存在になっています。こうした鉱物は、太陽光パネルや風力発電設備など、多くのクリーンエネルギー技術に不可欠です。
2023年、中国は約9000億ドルをオルタナティブエネルギーに投資
Ibragimov氏はインタビューの中で、2023年に中国がオルタナティブエネルギー(再生可能エネルギーやその他のクリーンな電源)の分野に、約9000億ドルを投資したと指摘しました。
この規模は「他の国と比べても最大級の投資だ」としたうえで、同氏は、中国の需要と投資の勢いが、世界のグリーントランジションの方向性を決める重要な要素になっていると見ています。
主要サプライヤーに求められる対応
インタビューの中でIbragimov氏は、自身が率いるERGのような資源サプライヤーの立場についても言及しました。
同氏は「私たちは主要な供給者である以上、中国の需要に応えなければならない」との考えを示し、急速に高まる中国のクリーンエネルギー関連需要に対し、安定的に鉱物資源を供給していく必要性を語りました。
需要に応えるということは、単に供給量を増やすだけではありません。長期の投資計画や、環境・社会への配慮を伴った採掘・加工の仕組みづくりなど、資源サプライチェーン全体の再設計も求められます。
中国の存在感が示す「相互依存」の現実
今回の発言は、中国の存在感が単に「大口の需要家」であることを超え、世界のグリーントランジションを左右するパートナーであることを改めて示しました。
世界各国が脱炭素を加速させるなかで、クリーンエネルギー技術に必要な鉱物資源は限られています。最大の消費者である中国と、ERGのような資源サプライヤーとの関係性は、今後のエネルギー安全保障や経済戦略を考えるうえで避けて通れないテーマになりつつあります。
日本と読者への問いかけ
日本にとっても、このメッセージは他人事ではありません。再生可能エネルギーの導入拡大や電動化を進めるうえで、鉱物資源の安定供給と、主要な需要国・供給国との協調は、今後ますます重要になります。
「中国抜きのグリーントランジションはない」という言葉は、特定の国を持ち上げるかどうかという話ではなく、エネルギー転換が強い相互依存のうえに成り立っているという現実を突きつけています。
世界の脱炭素が加速する2020年代、私たちはどのようなパートナーシップとルールづくりで、この相互依存をより持続可能で公平なものにしていくのか──。ダボス2025での一つのインタビューは、その問いを静かに投げかけています。
Reference(s):
cgtn.com








