中国で拡大する親子消費 テーマパークと旅行が牽引する成長エンジン
中国で、親子で楽しむことを前提にした「親子消費」が急速に広がり、ショッピングモールやホテルなど都市の商業空間を大きく変えつつあります。内需拡大の鍵として注目されるこの動きは、日本のビジネスや観光にも無関係ではありません。
ショッピングモールからホテルまで、都市を変える親子消費
中国の都市部では、ショッピングモールに屋内遊び場が併設され、家族向けコンセプトのホテル客室や、子ども専用メニューを用意する飲食店が増えています。こうした動きの背景には、「親子経済」とも呼ばれる親子消費市場の拡大があります。
- ショッピングモール内のプレイグラウンド
- 家族向けテーマのホテルスイート
- 子どもに配慮したレストランの特別メニュー
- ファミリー向けホテルへの旺盛な需要
親と子が一緒に過ごす時間を中心に、買い物や外食、宿泊、娯楽が組み立てられていく——そんなライフスタイルが広がりつつあります。
数字で見る中国の親子経済
こうした親子消費を支えているのが、子どもの多さと所得の伸びです。中国の国家統計局によると、2024年末時点で0〜15歳の子どもは約2億4,000万人で、総人口の17.1%を占めました。
全国的な三人目の子どもを認める政策(三孩政策)の導入や、家族にやさしい社会づくりの取り組みも追い風となり、親子経済の市場規模は2025年までに5兆元(約6,850億ドル)を超えると見込まれています。
中でも、親子での旅行は「一緒に学び、経験し、絆を深める」手段として特に人気が高まっています。
ミレニアル世代・Z世代がけん引する「体験」志向
育児の中心を担うのは、ミレニアル世代やZ世代の親たちです。所得の向上に加え、「モノよりコト」を重視する価値観が広がり、高品質で家族向けの体験型サービスへのニーズが高まっています。
買い物だけでなく、学びや体験を重視する親たちは、テーマパークやリゾート地、文化体験などを組み合わせた「ストーリーのある旅」を選ぶ傾向が強くなっています。
事例:5歳児と巡るテーマパークとビーチ
2025年のメーデー連休を前に、シャ・イエさんとフー・ポンさん夫妻は、5歳の息子との次の旅行計画に忙しくしていました。今回の行き先は、無錫にある三国テーマパークです。
この家族の息子はすでに、上海ディズニーランドや、三亜の陽光あふれるビーチも訪れています。テーマパークとリゾート地を組み合わせた旅行は、親子で非日常を楽しみながら学びの機会もつくれるプランとして支持を集めています。
友人のヤオ・リウさんの5歳の娘も、珠海にあるチムロング・オーシャン・キングダムを体験し、さらに日本のユニバーサル・スタジオまで足を延ばしました。親子の旅先が国内の人気スポットにとどまらず、海外にも広がっている様子がうかがえます。
内需拡大と国際観光への波及効果
親子消費の拡大は、中国の都市部の商業施設を変えるだけでなく、サービス産業全体の質向上を促す動きでもあります。子ども連れでも安心して過ごせる設備や、安全面への配慮が標準になれば、社会全体のファミリーフレンドリー度も高まります。
また、親子で海外旅行に出かける家庭が増えれば、日本など周辺国の観光地やテーマパークにとっても重要な顧客層となります。家族向けの宿泊プランや子ども向けメニュー、多言語の案内などを整えることは、今後のインバウンド戦略を考える上でも一つのヒントになりそうです。
これからの注目ポイント
親子消費は今後も、中国の消費市場をけん引する重要な分野であり続けるとみられます。日本の読者としては、次のような点を意識してニュースを追うと、トレンドの全体像がつかみやすくなります。
- 三人目の子どもを認める政策や家族支援策が、親子向けサービスの拡充にどうつながるか
- ショッピングモール、テーマパーク、ホテル、飲食店など、どの分野で親子向けサービスが急速に広がっていくか
- 親子旅行の行き先が、中国国内から海外へどのように広がっていくか
約2億4,000万人の子ども世代と、新しい価値観を持つ親世代がつくる中国の親子経済。この大きなうねりは、アジア全体の観光や消費のあり方にも、静かに変化を促しつつあります。
Reference(s):
Parent-child consumption emerges as a key growth driver in China
cgtn.com








