家族旅行ブームで中国本土の夏の観光市場が活況に 2025年の動きを整理
2025年夏、中国本土の観光市場では家族旅行が観光需要をけん引するとの見方が強まりました。オンライン旅行会社や大手旅行会社のデータから、夏の旅行市場の主役が家族連れである姿が浮かび上がっています。
本記事では、2025年6月時点で公表された数字や現場の声をもとに、中国本土の夏の観光市場で起きている変化を整理し、日本の読者向けにポイントを解説します。
家族旅行が2025年夏の主役に
オンライン旅行会社のLY.comが2025年6月に発表した「2025年夏の旅行トレンド」報告書によると、今年の夏の交通需要を押し上げているのは引き続き家族旅行だと分析されています。
報告書は、7〜8月の夏の旅行シーズンについて、未成年の子どもと一緒に移動する乗客が次のような割合を占めると予測しました。
- 中国本土の国内線の民間航空利用者の34.7%
- 国際線の利用者のおよそ23%
いずれも2024年の同じ時期を上回る見込みで、家族連れが航空需要の中核になりつつあることがうかがえます。
航空需要を押し上げる子連れ需要
注目すべきは、家族連れが単に増えているだけでなく、航空会社や空港の運営にも影響を与える規模になっている点です。国内線では乗客の約3人に1人が子ども連れという計算になり、ピーク時間帯の搭乗手続きや保安検査、機内サービスの設計にも直結します。
こうした傾向を前提にすると、各社は次のような対応を迫られる可能性があります。
- チェックインや保安検査でのベビーカー・荷物対応の強化
- 機内での子ども向けサービスや座席配置の工夫
- 乗り継ぎ時間に余裕を持たせたスケジュール設計
国際線でも約4人に1人が家族連れと見込まれており、行き先の国や地域にとっても「家族旅行客への対応力」が競争力の一部になりそうです。
初めて空の旅に出る人が約600万人
LY.comの報告書は、2025年の夏の旅行シーズン(7〜8月)だけで、およそ600万人が人生で初めて飛行機を利用すると見込んでいます。
初めて飛行機に乗る人がこれだけの規模になるということは、航空・観光市場が量的に拡大しているだけでなく、「飛行機での家族旅行」が生活の選択肢として広がっていることも示しています。
この層にとっては、空港での案内の分かりやすさや、トラブル時のサポートなどが旅行体験の印象を大きく左右します。旅行業界にとっては、長期的なリピーターを増やすうえでも重要なポイントとなりそうです。
旅行会社Utourでも家族旅行が6割超の見通し
北京に拠点を置く旅行会社Utourの動きからも、家族旅行の存在感の大きさが読み取れます。6月中旬時点で、同社の夏の旅行客数は前年同期比で70%増となっていました。
その内訳を見ると、夏の予約全体のうち、家族旅行が60%以上を占める見通しだとされています。つまり、Utourにとっても、夏の主役は明らかに家族連れという構図です。
同社のメディア・広報マネジャーである李夢然氏は、「この夏はここ数年で最も活気のある観光シーズンになる可能性がある」と話しており、現場レベルでも2025年夏への期待の高さがうかがえます。
日本の読者が押さえたいポイント
中国本土の夏の観光市場で進む家族旅行ブームは、日本を含む周辺の観光地やビジネスにも示唆を与えています。押さえておきたいポイントを整理すると、次のようになります。
- 中国本土の夏の観光需要は、家族連れが数量面でも質の面でも中心的な存在になりつつある
- 国内線・国際線ともに子連れの割合が高まることで、航空・空港・観光地は家族向けサービスの充実が課題になる
- 初めて飛行機を利用する人が数百万人規模で生まれることで、今後の旅行スタイルや消費行動も変化していく可能性がある
日本の観光事業者や自治体にとっても、中国本土からの家族旅行客が増えるシナリオを想定し、受け入れ環境や情報発信のあり方を考えることが重要になりそうです。
2025年夏の数字や現場の声は、アジアの観光市場が次のステージに向かう中で、「家族旅行」がどれほど大きなキーワードになっているかを物語っています。今後も、家族連れを中心とした旅行需要の動きに注目していきたいところです。
Reference(s):
cgtn.com








