中国とドイツのグリーン金融協力 共通ルールとカーボン取引に注目 video poster
2025年の国際ニュースとして注目される中国とドイツのグリーン金融協力について、フランクフルト・メイン・ファイナンスのマネージングディレクターであるフーベルトゥス・フェート(Hubertus Vaeth)氏が、2025年のFinancial Street Forumで語ったポイントを整理します。
フェート氏はCGTNのインタビューで、中国とドイツはグリーン金融とトランジション・ファイナンスにおいて多くの共通点を持っていると述べ、共通のルール作りや排出量取引の協力が今後のカギになると強調しました。
金融ストリートフォーラムで示されたメッセージ
2025年に開催されたFinancial Street Forumで、フェート氏は中国とドイツのグリーン金融協力について意見を述べました。グリーン金融とは、環境への負荷を抑える事業や脱炭素への取り組みを支える資金の流れを指し、トランジション・ファイナンスは、すぐに完全にグリーンとは言えない産業も含めて、段階的な移行を支える金融を意味します。
フェート氏は、こうした領域で中国とドイツは共通の土台をすでに持っていると指摘し、その上で協力を深める余地が大きいことを示唆しました。
何がグリーンかを共有する共通言語 タクソノミーの重要性
フェート氏が特に強調したのが、何をグリーンとみなすのかについての共通のものさし、つまりタクソノミーの重要性です。タクソノミーとは、環境に配慮した経済活動を分類し、どの事業がグリーンな投資対象に当たるかを整理する基準のことです。
氏は、統一されたタクソノミー、あるいは少なくとも共通言語と理解の共有がなければ、資金がどこに向かうべきか、どのような変革を支えるべきかが見えにくくなると指摘しました。これは、金融機関や投資家だけでなく、資金を必要とする企業にとっても重要な視点です。
- 投資家や銀行は、どのプロジェクトが環境配慮型かを判断しやすくなる
- 企業は、自社の移行計画を金融市場にわかりやすく説明できる
- 政策当局は、補助金や規制を整理しやすくなる
中国とドイツがグリーン金融の共通タクソノミーや整合性の高い基準づくりに取り組めば、両国間の資金の流れがよりスムーズになり、企業の脱炭素の動きを後押しすることが期待されます。
排出量取引とカーボンクレジット 協力の新たなフロンティア
フェート氏はまた、排出量取引制度での協力が今後の大きなチャンスになると述べました。排出量取引制度とは、企業などに温室効果ガスの排出枠を割り当て、その枠の余剰分や不足分を市場で売買できるようにする仕組みです。
氏が挙げたのは、次のような分野です。
- カーボンクレジットの取引 省エネや再生可能エネルギー導入などで削減した排出量をクレジットとして売買する仕組み
- 差額決済型の炭素取引 カーボン価格の基準と実際の価格の差を調整するような取引の仕組み
こうした排出量取引やカーボンクレジットの分野で中国とドイツが協力すれば、価格シグナルがより明確になり、企業による排出削減のインセンティブを高めることにつながります。
近く開催予定の中国 ドイツ グリーン金融会議
フェート氏によると、中国とドイツのグリーン金融会議が近く開催される予定です。この会議は、両国がどのようにタクソノミーの整合性を高め、排出量取引制度で協力していくのかを議論する重要な場になりそうです。
特に注目される論点として、次のようなテーマが考えられます。
- グリーンおよびトランジション・ファイナンスの共通定義や分類のすり合わせ
- カーボンクレジットや差額決済型の炭素取引に関するルールの共有
- 民間金融機関を巻き込んだ資金動員の具体的な仕組み
これらが前進すれば、中国とドイツはグリーン金融分野でより深いパートナーシップを築くことになり、国際的な脱炭素の流れにも影響を与える可能性があります。
日本の読者にとっての意味 共通ルール作りは他人事ではない
今回の議論は、欧州と中国の話にとどまるものではありません。グローバルな金融市場では、グリーン金融やトランジション・ファイナンスの共通ルール作りが進むほど、各国の企業や金融機関はそれに合わせた情報開示や戦略の見直しを求められる可能性が高まります。
日本の投資家や企業にとっても、次のような点で無視できない動きと言えます。
- 将来、中国やドイツと事業や資本提携を行う際、どのタクソノミーに合わせるかが重要なテーマになる
- 排出量取引やカーボンクレジット市場が国際的に連携した場合、価格やルールの変化がビジネスに影響し得る
- 国際的なグリーン金融の基準に対応できているかどうかが、資金調達力の差につながる可能性がある
2025年のこのタイミングで、中国とドイツがグリーン金融の共通言語づくりと排出量取引での協力に踏み出そうとしていることは、今後の国際金融の方向性を考えるうえで重要なシグナルと言えます。中国 ドイツ グリーン金融会議の具体的な議論の中身に注目しつつ、日本としてどのように関わり、備えていくのかを考えるきっかけになりそうです。
Reference(s):
cgtn.com








