グリーン×デジタルで持続可能な開発へ 2025金融街フォーラムから読む新潮流 video poster
グリーンとデジタルは、別々の道ではなく、同じ未来に向かって収束しつつある――。持続可能な開発をめぐる国際ニュースの中で、このキーワードの組み合わせがいま改めて注目されています。本稿では、日本語ニュースとして、グリーンとデジタルが生み出す新しい成長ドライバーを整理します。
グリーンとデジタルは「二つの道」ではない
持続可能な開発の現場では、環境に配慮したグリーンな取り組みと、社会のデジタル化が同時並行で進んでいます。しかし両者は競合するのではなく、同じゴールに向かうパートナーだと指摘されています。
デジタル技術は、グリーン開発が直面するさまざまな課題の解決に使われています。たとえば、エネルギー利用の効率化や、排出量の見える化、低炭素な社会づくりのためのデータ分析など、デジタルの力がグリーンな取り組みをより効率的で低炭素なものにしているという位置づけです。
2025年金融街フォーラムで示されたメッセージ
こうした流れは、2025年に開かれた金融街フォーラムでも大きなテーマとなりました。中央財経大学グリーンファイナンス国際研究院の院長であるWang Yao(ワン・ヤオ)氏は、CGTNのインタビューで、デジタル化そのものもグリーンであるべきだと強調しました。
ワン氏は「デジタル発展のプロセス全体にグリーンの実践を組み込み、グリーンなアプローチでデジタル成長を支える必要がある」と語り、デジタル技術を環境負荷の高いものではなく、環境を支える基盤として育てていくべきだとの考えを示しました。
このメッセージは、単に「グリーンのためにデジタルを使う」という発想を超え、「デジタル自体もグリーンでなければならない」という二重の視点を提示しています。
テクノロジー・ファイナンスとグリーンファイナンスの融合
フォーラムでは、テクノロジー・ファイナンス(技術分野を支える金融)とグリーンファイナンス(環境配慮型のプロジェクトを支える金融)を統合していくことが、「高品質な発展」を実現するうえで重要だという点も強調されました。
この統合が意味するのは、資金の流れそのものをグリーンかつデジタルにしていくことです。イメージとしては次のような取り組みが考えられます。
- 環境に配慮したプロジェクトに資金が届きやすくなるよう、デジタル技術で審査やモニタリングを効率化する
- データにもとづいて企業やプロジェクトの環境リスクをより精緻に評価し、資金配分に反映させる
- 個人や企業がグリーンな投資商品を選びやすくするため、オンラインで分かりやすい情報提供や可視化を進める
こうした動きは、単なる「エコなイメージづくり」ではなく、資本の流れそのものを変えることで経済の構造をじわじわと変えていく試みだといえます。
なぜ今、グリーン×デジタルが重要なのか
気候変動への対応やエネルギー転換など、持続可能な開発をめぐる課題は長期戦です。その中で、デジタル技術はスピードと透明性を提供し、グリーンな取り組みを「測れる」「比べられる」「改善できる」ものに変えていきます。
一方で、データセンターや通信インフラなど、デジタルを支える基盤も電力を消費し、環境負荷を伴います。だからこそ、デジタルの世界にも省エネや低炭素の視点を組み込むことが欠かせません。
ワン氏が語ったように、グリーンの考え方をデジタル発展のプロセス全体に埋め込むことは、これからのデジタル経済にとって避けて通れないテーマになりつつあります。
日本やアジアの読者への示唆
日本を含むアジアの多くの国と地域でも、デジタル化と脱炭素が同時に進みつつあります。国際ニュースとして伝えられるグリーン×デジタルの潮流は、日本の企業や自治体、個人にも無関係ではありません。
たとえば、次のような視点は、日本の読者にとっても今後のヒントになりそうです。
- 自社や地域のデジタル化は、エネルギー効率や排出削減とセットで設計されているか
- 投資や貯蓄の選択において、グリーンファイナンスの視点をどう取り入れられるか
- 日々使うアプリやオンラインサービスが、どのように環境負荷と向き合っているか
グローバルな議論を知ることは、自分たちの足元を見直すきっかけにもなります。
これからの問い:データもエネルギーも無駄にしない社会へ
グリーンとデジタルが出会うところから、新しい成長ドライバーが生まれつつあります。2025年の金融街フォーラムで示されたのは、「環境のためのデジタル」と「グリーンなデジタル発展」を同時に進めるという方向性でした。
これから私たちに突きつけられる問いは、次のようなものかもしれません。
- デジタル化の便利さと引き換えに、どれだけのエネルギーと資源を使っているのか
- そのコストを下げるために、どのようなグリーンな工夫ができるのか
- 技術と金融をどう組み合わせれば、「高品質な発展」を実現できるのか
日々のニュースを追いながら、グリーンとデジタルの交差点で起きている変化を、自分の生活や仕事と結びつけて考えてみることが、次の一歩につながっていきます。
Reference(s):
Green meets digital: Creating new drivers for sustainable development
cgtn.com








