中国が米企業への輸出管理を一部調整 31社対象措置を見直し
中国商務省は、クアラルンプールで行われた米中経済・貿易協議の合意に基づき、米国企業31社を対象とした輸出管理措置の一部を調整する方針を示しました。米中関係やグローバルなサプライチェーンに影響し得る動きとして注目されています。
米国企業31社を対象とした輸出管理の経緯
中国商務省によると、関連する輸出管理法令に基づき、2025年3月4日の2025年第13号公告と、4月4日の2025年第21号公告で、合計31社の米国企業が中国の輸出管理リストに追加されました。
これらの企業が輸出管理リストに載ったことで、軍事用途と民生用途の両方に使える品目とされる軍民両用品について、これらの企業向けの輸出が禁止されていました。
クアラルンプール協議の合意と11月10日の調整
今回の見直しは、クアラルンプールで行われた米中経済・貿易協議での合意内容を実行に移すものだと説明されています。
商務省は、米国企業31社に対する措置について、次のように調整すると発表しました。
- 2025年第13号公告で対象となった米国企業15社に対する関連措置を、2025年11月10日に解除する。
- 2025年第21号公告で対象となった米国企業16社に対する関連措置については、1年間停止された状態を維持する。
輸出管理措置の調整日として示された2025年11月10日は、2025年12月8日現在、すでに過去の日付です。実務の現場では、この決定に沿った新たな運用が進んでいると考えられます。
軍民両用品を輸出する企業に求められる手続き
輸出管理措置が調整されたとはいえ、軍民両用品を米国企業に輸出したい企業にとって、申請と審査のプロセスは引き続き重要です。
商務省は、軍民両用品をこれらの米国企業に輸出したい企業は、関連する輸出管理規定に従って申請書を提出しなければならないとしています。
申請後の流れについては、次のように説明されています。
- 中国商務省が、輸出管理法令などに基づき申請内容を審査する。
- 法令や規則の要件を満たすと判断された案件については、輸出許可が与えられる。
そのため、輸出を検討する企業は、対象となる品目が軍民両用品に該当するかどうかを見極めるとともに、法令に沿った社内管理体制を整えることが求められます。
今回の調整が示すもの
今回の措置調整は、米中の経済・貿易協議で合意された内容を、具体的な制度運用として反映させたものといえます。31社すべてについて一律に解除するのではなく、15社と16社で扱いを分けた点も特徴です。
15社については関連措置が解除される一方で、16社については1年間の停止措置とすることで、状況を見ながら柔軟に対応できる余地を残したかたちとも受け止められます。
軍民両用品の輸出には引き続き個別の申請と審査が必要であることから、安全保障面の配慮と経済・貿易関係の安定の両立を模索する動きの一つとして位置づけることもできます。
日本やアジアの企業への含意
今回の中国による輸出管理措置の調整は、直接の対象が米国企業であっても、サプライチェーン全体を通じて日本やアジアの企業にも間接的な影響を及ぼし得ます。
- 米国企業を経由した部品調達や共同開発プロジェクトに関わる企業は、対象企業と品目の確認が重要になります。
- 軍民両用品に該当し得る先端技術や部材を扱う企業は、各国の輸出管理規制の動向を継続的にフォローする必要があります。
- 米中間の経済・貿易協議の結果が、今後も段階的に具体的な制度や運用に反映される可能性があり、中長期的なリスク管理が求められます。
デジタル化が進むなかで、輸出管理は一部の大企業だけのテーマではなく、多くの中堅・スタートアップ企業にとっても無視できない経営課題になりつつあります。今回の米国企業31社をめぐる動きも、その一端として押さえておきたいニュースといえます。
Reference(s):
China to adjust export control measures on some U.S. entities
cgtn.com








