アブダビに17億ドルの巨大球体施設「Sphere」を建設へ。脱石油と観光戦略の新たな一手 video poster
アラブ首長国連邦(UAE)のアブダビが、最新技術を駆使した没入型体験センター「Sphere(スフィア)」の建設を計画していることが明らかになりました。このプロジェクトは、単なる観光施設の建設にとどまらず、石油依存から脱却し、経済構造を多角化させたいというアブダビの強い意志を象徴しています。
2029年完成予定、2万人を収容するハイテク拠点
アブダビ文化観光局が5月14日に発表した計画によると、この巨大な球体施設には約17億ドル(約2,600億円)が投じられます。建設予定地は、アブダビの主要エンターテインメント地区であるヤス島です。
- 完成予定:2029年
- 収容人数:約20,000人
- コンセプト:テクノロジー主導の没入型体験センター
当局は、この施設が世界中から多くの観光客を惹きつけ、地域における新しいテクノロジー観光の目的地になると期待を寄せています。
「観光戦略2030」と経済の多角化
この取り組みは、アブダビが掲げる「観光戦略2030」の重要な柱の一つです。同市は、エネルギー資源への依存度を下げ、産業の幅を広げることで持続可能な経済成長を目指しています。
戦略的な目標として、以下の数値が掲げられています。
- 訪問者数の拡大:3,930万人の誘致を目指す
- GDPへの貢献:観光セクターによるGDP貢献度を900億UAEディルハム(約245億ドル)まで引き上げる
ハイテクなランドマークを構築することで、単なる立ち寄り地ではなく、「目的地」としての価値を高める戦略です。
地政学的な不透明感を超える長期的な視点
昨今の地政学的な情勢が不安定な中で、このような大規模投資に踏み切る判断について、アブダビ文化観光局のモハメド・ハリファ・アル・ムバラク局長は自信を見せています。
アル・ムバラク局長は、紛争の影響が懸念されていた今年3月のデータを例に挙げ、ホテル客室稼働率が56%を維持し、美術館やショッピングモールも通常通り運営されていたことを強調しました。目先の変動に惑わされることなく、長期的な開発に注力する姿勢が伺えます。
中国本土との文化連携と今後の展望
また、この戦略的な枠組みの中で、中国本土との文化協力が重視されています。アブダビは中国本土を重要な文化パートナーと位置づけており、市内の美術館にはすでに中国に関連する多くの展示が取り入れられています。
最近では、中国本土のトップミュージシャンを招いたコンサートを開催し、大きな反響を呼ぶなど、文化交流を積極的に推進しています。
今後の計画について、アル・ムバラク局長は「サプライズがある」と含みを持たせつつ、数ヶ月以内にさらなる発表を行い、音楽とライブエンターテインメントの世界的ハブとしての地位を盤石にする意向を示しました。
Reference(s):
Abu Dhabi to advance diversification strategy with $1.7 bln Sphere
cgtn.com


