ホルムズ海峡の船舶通行量が急回復、イラン関連の貿易活動が活発化
世界のエネルギー輸送の要衝であるホルムズ海峡において、船舶の通行量が大幅に回復していることが明らかになりました。米国の制裁による制限が続く中でも、実利的な貿易活動が活発化している現状が浮き彫りになっています。
1週間で通行量が2倍以上に増加
イギリスの海事専門紙「ロイズ・リスト(Lloyd's List)」が火曜日に報じたところによると、5月11日から17日までの1週間で、ホルムズ海峡を通過した船舶は少なくとも54隻に達しました。これは前週のわずか25隻から大幅に増加した数値です。
この急増の背景には、イランに関連する貿易活動の活発化があると考えられています。イランの港に寄港する船舶に対する米国の制限措置は依然として継続していますが、実際の海運の流れはそれに反して加速している形です。
最新の通行状況と船舶の傾向
ロンドンに拠点を置く海事分析会社ウィンドワード(Windward)のデータによると、直近の月曜日には19隻の船舶が海峡を通過しています。内訳は以下の通りです。
- 流入(inbound): 9隻(主にインドやスリランカなどの旗国を掲げた貨物船)
- 流出(outbound): 10隻(タンカー1隻と貨物船9隻。うち5隻はイラン旗を掲げていた)
「見えない」航行と制裁のジレンマ
今回の報告で注目されるのが、一部の船舶による不透明な航行パターンです。アブダビ国立石油会社(ADNOC)が所有する液化天然ガス(LNG)運搬船が、AIS(自動識別装置)をオフにした状態でペルシャ湾に入ったことが指摘されています。
AISは船舶の位置情報を送信する装置であり、これを意図的に切断することは、制裁回避や機密性の高い輸送を行う際によく見られる手法です。形式的な制限と、実際の経済的な需要との間にある乖離が、こうした「見えない航行」という形で現れています。
エネルギー供給の安定性が世界的に重視されるなか、地政学的な緊張と経済的な実利が複雑に絡み合うホルムズ海峡の状況は、今後も国際社会の注目を集めそうです。
Reference(s):
Shipping traffic through Strait of Hormuz rebounds, report says
cgtn.com