音楽で見る国際ニュース:インドのシタール名手、清華大学で響く video poster
インドのシタール奏者プルバヤン・チャタジー氏が、2025年に北京の清華大学で演奏を行い、インドと中国の文化や哲学を音楽でつなぐ時間をつくりました。国際ニュースを日本語で追う私たちにとっても、音楽は世界の動きを肌で感じるための入り口になりつつあります。
清華大学で響いたシタールの音色
今回紹介するのは、世界的に知られるインドのシタール名手、プルバヤン・チャタジー氏です。中国各地を巡るツアーの一環として、北京にある名門・清華大学で特別な公演を行いました。大学という知の空間で、伝統的な弦楽器シタールの音色が響いたことは、教室やニュース記事とは違うかたちでインドと中国を結びつける出来事だったと言えます。
公演は、単なるコンサートというより、文化と哲学が出会う場として位置づけられていました。音楽を通して、インドの伝統と中国の知的な雰囲気が静かに交差する、その象徴的な舞台が清華大学だったと言えるでしょう。
5歳から続く、父とのシタール修行
チャタジー氏がシタールを手にしたのは、わずか5歳のときとされています。最初の師匠は父親。家庭の中で受け継がれた音楽が、長い時間をかけて磨かれ、今では世界的な評価につながっています。
子どもの頃から一つの楽器に向き合い続けてきた経験は、そのまま音の深みとして表れているようです。家族から始まった学びが、やがて国境をこえて大学キャンパスに届き、多くの人に共有される。その過程自体が、グローバルな時代の物語でもあります。
シタールの深い精神性と、インドと中国の詩的な哲学
今回の中国ツアーの中で、チャタジー氏はシタールが持つ深い精神的な背景について語りました。シタールの音には、祈りや瞑想とも重なる静けさと集中が込められており、それが聴く人の心の奥に届くと考えているからです。
同時に、氏はインドと中国それぞれに根づく詩的な哲学との共鳴にも注目しています。インドの思想に流れる内面への問いかけ、中国の古典詩や思想に見られる自然観や調和の感覚。ことばは違っても、世界を深く見つめようとする姿勢には共通点が多いという視点です。
楽器の響きが、インドと中国の詩や哲学に通じるイメージを呼び起こすことで、音楽は目に見えない対話の役割を果たします。ニュースでは捉えきれない価値観の近さや違いが、音を通じてゆっくりと浮かび上がってくるのかもしれません。
大学キャンパスから広がるカルチャー・ブリッジ
清華大学での公演は、音楽イベントであると同時に、若い世代にとっての国際交流の場でもありました。教室で学ぶ国際関係や経済とは別の次元で、文化がつくるつながりを体感できる機会と言えます。
- ニュースだけでは見えにくい、インドの人びとの感性や精神文化にふれるきっかけになる
- ことばが通じなくても、音楽を通じて共通する感情やイメージを共有できる
- 大学というオープンな場から、日常の会話やSNSへと経験が広がっていく
こうした文化イベントは、政治や経済中心の国際ニュースとは別の角度から、国と国、人と人を結ぶ力を持っています。チャタジー氏のシタール演奏は、その一つの具体的な例として、中国の大学キャンパスで形になりました。
インドと中国、そして広くアジアの動きを日本語で追いかけるとき、音楽やアートのニュースもあわせて見ていくことで、世界の見え方は少し変わってきます。音楽を通じた静かな対話が、これからどのようなつながりを生み出していくのか、今後の動きにも注目したいところです。
Reference(s):
cgtn.com








