古代中国の涼み方 漢代の「玉の枕」が教えてくれること
猛暑や寝苦しい夜が続くとき、「昔の人はどうやって涼をとっていたのだろう」と考えたことはありませんか。約1800年以上前の古代中国・漢代の人びとは、なんと「玉の枕」を夏の夜の相棒にしていたとされています。
漢代の夏、人びとは「玉の枕」で涼をとった
漢代(約1800年以上前)の人びとは、夏の暑さのなかで涼しく眠るために、玉でできた枕に目を向けました。暑い季節になると、「玉の枕」に頭を預けて休むことが行われていたとされています。
玉はひんやりとした手触りがあると考えられ、熱がこもりやすい夜でも、冷たさを感じながら眠れる素材だと信じられていました。そのため、玉の枕は単なる装飾品ではなく、実用的な「暑さ対策」としても重宝されていたのです。
「鳥獣雲文彩画玉枕」とはどんな枕か
そうした玉の枕の一つが、「鳥獣雲文彩画玉枕」と呼ばれる作品です。名前の通り、鳥や獣、雲の文様が彩り豊かにあしらわれた枕とされています。
この玉枕には、次のような特徴があります。
- 複数の玉の板をはめ込んでつくられた、精巧なつくりであること
- 表面には、雲や鳥、獣の模様が金で描かれていること
- 見た目の華やかさと、実際に頭を乗せて使う「道具」としての側面をあわせ持っていること
装飾性の高さから、当時の人びとにとって玉の枕が、美と実用を兼ね備えた特別な存在だったことがうかがえます。
涼しさと安眠をもたらすと信じられた玉
この玉の枕は、単に豪華な寝具というだけではありませんでした。玉そのものが「触れると涼しく感じる」とされ、心身を落ち着かせ、安らかな眠りを促すと信じられていたのです。
とくに夏の夜は、暑さで寝つきにくくなりがちです。そんなときに、ひんやりとした玉の感触に頭を預けることで、
- 熱を和らげ、涼しさを感じる
- 気分を落ち着かせて、眠りやすくする
といった効果が期待されていました。漢代の人びとにとって、玉の枕は寝苦しい夜を少しでも快適にするための工夫でもあったといえます。
2025年の私たちへのヒント
2025年の今、私たちはエアコンや扇風機、冷感グッズなどさまざまな「暑さ対策」を手にしています。それでも、寝苦しい夜に悩む人は少なくありません。
漢代の玉の枕に目を向けると、次のような視点が見えてきます。
- 素材から涼しさを工夫する発想:玉という、触れるとひんやりする素材を選ぶというシンプルな工夫
- 睡眠の質へのこだわり:単に暑さをしのぐだけでなく、「よく眠る」ことを重視していたこと
- 生活道具と美意識の両立:雲や鳥、獣の文様をあしらい、日常の道具に美を取り入れていたこと
現代の私たちも、機能性だけでなく、触り心地や見た目の心地よさを含めて「自分にとって涼しく眠れる環境」を考えるヒントにできそうです。
古代の知恵を、現代の暮らしへ
約1800年以上前の漢代の人びとが愛用した玉の枕「鳥獣雲文彩画玉枕」は、涼しさと安眠を求める気持ちが、時代を超えて変わらないことを教えてくれます。
テクノロジーが発達した2025年でも、「ひんやりとした素材に触れて心地よく眠りたい」という感覚そのものは、古代と共通しています。猛暑の夜に眠れないとき、遠い昔の玉の枕に思いをはせてみると、涼しさとの付き合い方をあらためて考えるきっかけになるかもしれません。
Reference(s):
cgtn.com








