国連80年と教育の力:イラク人アーティストが語る創造する未来 video poster
創設80周年を迎えた国連の節目 UN@80 を背景に、イラク人アーティストのワリード・R・カイシ氏が、これからの世界をつくる鍵としての教育の力を語っています。彼が示すのは、知識を詰め込むだけではない、創造的で批判的に考える力を育てる教育の重要性です。
この記事では、そのメッセージの要点と、国際ニュースとしての意味を、私たちの日常の学びに引き寄せて整理します。
国連80周年と教育──世界の前進を支える土台
国連が80年という節目を迎える今、カイシ氏は「世界の前進の土台は教育にある」という考えを示しています。さまざまな課題を抱える世界において、短期的な対症療法ではなく、長期的な「人づくり」を通じて未来を変えていく必要があるという視点です。
教育は、個人の人生を変えるだけでなく、社会全体の方向性をも左右します。カイシ氏によれば、その教育が創造性と批判的思考を育てるものであるほど、世界の未来にも大きな影響を与えることができます。
バグダッドで育まれた視点:アートと教育の交差点
カイシ氏は、バグダッド生まれで、同市の美術学院を卒業したアーティストです。芸術の現場から社会を見つめてきた彼は、キャンバスの上だけでなく、教室や学びの場こそが未来を形づくる場所だと考えています。
彼が語る教育は、美術や音楽といった狭い意味での芸術教育に限られません。子どもたちが自分の頭で考え、世界を理解し、そこから新しいものを生み出していくための、広い意味での創造的な学びです。
創造的で批判的に考える力を育てる教育とは
カイシ氏は、高度な教育を重視しています。それは、単に知識を覚えることではなく、子どもたちが世界を理解し、それを自分たちの手で形づくれるようにする教育です。
- 世界をよく観察し、そのしくみを理解する
- 与えられた答えをうのみにせず、批判的に問い直す
- 自分のアイデアや想像力を使って、新しい解決策や表現を生み出す
こうした力を育てることで、子どもたちは「世界を学ぶ人」から「世界をつくる人」へと変わっていく――それがカイシ氏の描く教育の姿です。
教育は社会・家族・科学を築く基本ツール
カイシ氏は、教育を「社会や家族、そして科学の発展を築くための基本的な道具」として捉えています。教育は、一人ひとりの生き方だけでなく、人類の前進そのものを支えるインフラだという考え方です。
- 社会:教育を受けた人が増えることで、よりよい制度や文化が育っていく
- 家族:学び続ける姿勢が次の世代へと受け継がれ、家庭の価値観や関係性を形づくる
- 科学:好奇心と探究心が、科学的な発見や技術の前進を生み出す土壌となる
教育への投資は、今すぐ結果が目に見えるとは限りません。しかし、長い時間軸で見れば、社会のさまざまな領域に静かに、しかし確実に変化をもたらします。80年というスパンで世界を見つめてきた国連の節目に、教育の意味を改めて問い直すことには大きな意味があると言えるでしょう。
若い世代へのメッセージ:学びを通じて未来を形づくる
現在の若い世代に向けて、カイシ氏は明確なメッセージを送っています。それは、学びを受け身の義務としてではなく、自分の心と頭の可能性を解き放つための力強い手段として受け止めてほしい、という呼びかけです。
このメッセージは、特別な才能を持った一部の人だけに向けられたものではありません。日々ニュースを読み、情報を集め、考えようとするすべての人に開かれています。たとえば次のような姿勢が、その出発点になるでしょう。
- 知らないことに出会ったとき、そのままにせず自分で調べてみる
- 一つの情報だけで判断せず、複数の視点や背景を比べて考える
- 学んだことを、自分の仕事や生活、地域で実際に試してみる
国連80周年という大きな節目は、過去を振り返るだけでなく、「次の80年」をどうつくるかを考えるタイミングでもあります。イラク人アーティスト、ワリード・R・カイシ氏のメッセージは、その出発点として、創造的な教育と学び続ける意志の重要性を静かに示しています。私たち一人ひとりが、どのように学び、考え、世界に関わっていくのか――その選択が、これからの国際社会のかたちを左右していくのかもしれません。
Reference(s):
UN@80: Iraqi artist on forging the future with creative education
cgtn.com








