中国のモンスターマーケット:若者が怪奇フィギュアに託す本音と感情消費 video poster
中国で「モンスターマーケット」と呼ばれるマーケットが、いま若者の新しい遊び場として注目されています。北京の朝陽公園では、パンクで反逆的なフィギュアや模型を求めて若者が集まり、ユニークなデザインのコレクションを通じて自分の内面を表現しています。
古代中国の「怪物市」から、現代ポップカルチャーへ
古代中国では、モンスターマーケットは謎めいた雰囲気に包まれた「地下市場」として存在していたとされています。人目を避けるように開かれる、どこか秘密めいたバザールです。
それが現代では、まったく違う姿に生まれ変わっています。モンスターマーケットは、「自分のリズムで生きたい」人たちが集まる開かれた場となり、個性的で少し変わったものを愛する人々にとってのフェスのような空間になっています。
北京・朝陽公園に集まる「パンクで反逆的」なフィギュア
北京の朝陽公園で開かれるモンスターマーケットには、若い世代が数多く足を運びます。彼らのお目当ては、「最もパンクで反逆的」なフィギュアや模型です。
整ったかわいさよりも、少し不気味で、奇妙で、どこか不安をかき立てるようなデザイン。そうした「普通ではない」ビジュアルのコレクションが、多くの若者の心をとらえています。
キーワードは「感情消費」:モノではなく気持ちを買う
背景にあるのが、中国の若い世代のあいだで広がる「感情消費」です。感情消費とは、単に実用性やブランド価値で選ぶのではなく、商品が自分の感情や内面にどれだけ響くかを重視してお金を使う消費スタイルを指します。
モンスターマーケットで人気のフィギュアは、まさにその象徴です。持ち帰るのはプラスチックや樹脂の塊ではなく、そこに投影した自分の気持ちや物語だと言えます。
- 見た瞬間の「なんだこれは」という驚き
- かわいさと不気味さが同居する不思議な感覚
- 他人には少し言いづらい感情を代弁してくれる存在
こうしたポイントが、若者の感情消費と相性よく響いていると考えられます。
なぜ「奇妙なモノ」が心に刺さるのか
パンクな表現を好むファンは、とくに奇妙な見た目のコレクションに惹かれます。彼らが選ぶのは、「かわいい」よりも「変わっている」「少しこわい」と感じるような造形です。
そうしたフィギュアのユニークなデザインは、持ち主の内面世界と共鳴し、感情の出口をつくってくれます。言葉にしづらい孤独感や違和感、社会へのモヤモヤした気持ちなどを、その姿に重ねることで、少し肩の力を抜くことができるのかもしれません。
モンスターマーケットは、単に「変なモノ」を売る場所ではなく、
- 自分の感情を投影できるフィギュアと出会う場
- 似た感性を持つ人たちが集まるコミュニティの入口
- 「普通じゃなくてもいい」と感じられる安全な空間
という役割をあわせ持っているように見えます。
モンスターマーケットが映す、中国の若者の今
2025年のいま、中国の若者は、競争の激しさや将来への不安と向き合いながら、自分らしさの表現方法を模索しています。その答えのひとつが、モンスターマーケットで見つかるパンクで反逆的なフィギュアなのでしょう。
モンスターのように一見いびつな形をしたコレクションは、「完璧じゃなくてもいい」「変わっている自分も受け入れたい」という静かなメッセージでもあります。そこには、社会とつながりながらも、自分の感情を押し込めすぎない生き方への憧れがにじんでいます。
奇妙で不思議なモノに惹かれる若者たちの姿は、消費のトレンドであると同時に、感情と向き合い、自分のスタイルをつくろうとする新しい世代の姿を映し出しています。モンスターマーケットは、そうした変化を象徴する「感情消費」の舞台となっているのかもしれません。
Reference(s):
Monster markets: Official suppliers of all things weird and wonderful
cgtn.com








