土から描く物語—中国本土・大理のバイ族民間絵画に注目 video poster
中国本土・南西部の大理(ダリ)に暮らすバイ族の民間絵画が、日常の風景を「物語」に変える表現として静かに注目を集めています。土をすりつぶして顔料にするという素朴な技法が、暮らしの温度まで絵に宿らせます。
土から生まれる絵の具:身近な素材が色になる
バイ族の民間絵画の特徴のひとつが、地域の土を砕き、練って作る自然由来の顔料です。人工的な鮮やかさとは別の、落ち着いた発色と質感が生まれます。
色は単なる装飾ではなく、土地そのものの記憶でもあります。絵の具の出どころが「地面」であることが、作品に独特の説得力を与えているように見えます。
描かれるのは“知っている世界”:山、市、季節、儀礼
題材は、作者がよく知る日々の場面です。山並みや市場、儀礼や季節の移ろい、村の人びとの往来。特別な出来事というより、生活のリズムそのものが絵になります。
- 山や田畑、村の道などの身近な風景
- 市場のにぎわい、暮らしの道具、仕事の手つき
- 年中行事や儀礼、季節ごとの支度
- 家族や近所づきあいが生む温かな場面
こうした題材が、写実一辺倒ではなく、想像力の飛躍や誇張、リズミカルな配置によって「語りもの」として立ち上がります。日常が美しく“生きている”ように見えるのは、そのためかもしれません。
伝統と想像力の同居:民間絵画が持つ“語り口”
民間絵画は、鑑賞のためだけに完結しないことがあります。作品はときに、家や村の記憶、語り継がれてきた価値観、共同体の手触りと結びつきます。
一方で、伝統は固定された型ではなく、作者の自由な工夫が入り込む余地でもあります。決まりごとがあるからこそ、崩し方や遊び方が際立ち、見る人は「この場面の次に何が起きるのだろう」と想像を促されます。
いま(2026年)“手触りのある表現”が気になる理由
2026年の年明け、スマホの画面で大量の画像が流れていく日々のなかで、土を砕き、色を作り、身近な生活を描くという工程は、情報の速度とは別の時間感覚を提示します。
最先端のテクノロジーとは対極に見えつつも、「土地の素材」「暮らしの観察」「語りとしての絵」という要素は、現代の表現にも通じる普遍性があります。何を“新しい”と感じるのかを、そっと問い返してくれるタイプのニュースかもしれません。
Reference(s):
cgtn.com








