中国・雲南省の大理で100年前の邸宅を守る。米国人ブライアン・リンデン氏が追求する「原形保存」の美学 video poster
伝統的な建築を単に直すのではなく、当時のままに遺す。中国本土の雲南省、大理にある喜洲(きしゅう)古鎮で、20年以上かけて伝統的な白族(バイ族)の邸宅を修復し続ける米国人、ブライアン・リンデン氏の活動が注目を集めています。
20年という歳月をかけて向き合う「伝統」
雲南省の大理、その中でも歴史的な街並みが残る喜洲古鎮。ここには、白族の伝統的な建築様式が色濃く残る美しい邸宅が点在しています。米国出身のブライアン・リンデン氏は、この地に根を下ろして20年以上が経ちます。彼が心血を注いでいるのは、ある一軒の、築100年を超える邸宅の修復です。
「ありのまま」を遺すという信念
リンデン氏が修復において最も大切にしているのは、「古き良きものを、そのままの形で保存する(preserving the old as it was)」という原則です。現代的な素材で効率的に補修するのではなく、当時の建築手法や構造的な知恵を尊重し、丁寧に時間をかけて復元させています。
彼が取り組んでいるのは、単なる建物の修理ではなく、以下のような価値の保存です:
- 国家保護レベルの遺産: 白族の伝統的な住居としての歴史的価値の維持。
- 建築の知恵: 時代を超えて受け継がれてきた精緻な構造と機能美の探究。
- 記憶の継承: 100年前の人々がどのように暮らし、何を大切にしていたかという精神性の保存。
文化の境界を越えた敬意
リンデン氏の活動は、異なる文化背景を持つ個人が、深い敬意を持って地域の遺産を守るという、静かながらも強いメッセージを投げかけています。白族の伝統建築は、自然と調和し、住む人の心地よさを追求した合理的な造りが特徴です。それを外部の視点から再発見し、丁寧に守り抜く姿勢は、地域の文化保存に新たな視点を与えています。
効率や新しさが最優先される現代において、あえて時間をかけて「古きものを遺す」という選択。それは、私たちが忘れかけている、時間をかけて何かを慈しむ心に気づかせてくれるのかもしれません。
Reference(s):
cgtn.com