国際観光がパンデミック前水準ほぼ回復 国連観光機関が報告
国際観光が新型コロナ前の水準にほぼ戻ったとする報告を、国連の観光機関である UN Tourism が公表しました。ポストコロナ時代の観光産業を理解するうえで、2024年のこのデータは、2025年の今も重要な指標となっています。
2024年1〜9月で約11億人が海外旅行に
UN Tourism の観光バロメーター報告によると、2024年の最初の9か月間に国際的な旅行をした人は約11億人に達しました。これは、新型コロナウイルス感染症が拡大する前の2019年と比べて、98パーセントの水準です。
同機関は、この勢いが続けば、2024年末までに国際観光はパンデミック前の規模に完全に回復すると見込んでいました。
回復を牽引したのは欧州と主要市場、アジア太平洋の再開
報告書によると、国際観光の回復を支えた主な要因は次の通りです。
- 欧州での強い旅行需要の継続
- 世界各地の大きな送客市場の堅調な動き
- アジア太平洋地域の観光地の回復が進んだこと
欧州では域内・域外ともに観光需要が戻り、世界の観光フローを牽引しました。また、複数の大規模な送客市場からの需要が回復したことで、長距離路線を含む国際旅行全体が押し上げられています。さらに、アジア太平洋地域の観光地が徐々に本格的な受け入れ体制を整えたことも、世界全体の数字を押し上げたとされています。
ポストコロナの観光トレンドをどう読むか
UN Tourism の数字は、単なる回復の確認にとどまらず、観光のあり方が変わりつつあることも示唆しています。具体的には、次のような点が背景にあると考えられます。
- 長く旅行を控えていた人々による、いわゆるリベンジ旅行の需要
- オンライン予約やデジタル決済など、デジタル化の進展による旅行計画のしやすさ
- 自然やローカル文化を重視する、体験型の観光志向
こうした変化は、旅行者の行き先の選び方や滞在スタイルにも影響を与えています。観光地側にとっては、単に観光客数を増やすだけでなく、持続可能性や地域経済への波及効果をどう高めるかが改めて問われています。
2025年の私たちへの示唆
2025年の今、この報告を振り返ると、2024年は国際観光がコロナ禍から本格的に立ち直る転換点だったと言えそうです。世界の国際観光がほぼコロナ前水準まで戻ったことは、航空、宿泊、飲食、エンターテインメントなど幅広い産業にとって大きな支えとなりました。
日本を含むアジアの読者にとっても、国際観光の回復は、海外旅行の選択肢が広がるというだけでなく、地域の経済や雇用、文化交流のかたちを考え直すきっかけになります。これからの旅は、数量だけでなく質や持続可能性をどう両立させるかが、ますます重要なテーマになっていきそうです。
Reference(s):
International tourism set to return to pre-pandemic levels: UN agency
cgtn.com








