パリ2024五輪、CO2排出を過去大会から半減 それでも「カーボンニュートラル」と言わない理由
2024年のパリ五輪・パラリンピックについて、組織委員会は大会全体のCO2排出量がロンドン、リオの両大会と比べて半分以下に抑えられたと発表しました。ただし「カーボンニュートラル(実質排出ゼロ)」を名乗ることは避けており、大型スポーツイベントの環境負荷をめぐる新たな議論を呼びそうです。
パリ五輪は「最近の大会よりはるかに汚染少ない」
2024年パリ五輪の大会組織委員会は、水曜日に公表したデータで、大会が「最近のオリンピックよりもはるかに汚染が少なかった」と説明しています。
組織委によると、2024年夏に開催されたパリのオリンピックとパラリンピックが生み出したCO2排出量は、合計で約144万トン(1.44ミリオン・トン)でした。選手の食事や部屋の建設、観客が会場に向かうための航空機による移動、競技や運営に必要なエネルギーなど、大会に関連する幅広い活動を含めた数字です。
144万トンのCO2、どれくらいの規模?
フランス政府のカーボンインパクト計算ツール(CO2排出の影響を試算する仕組み)によると、144万トンのCO2排出は、次のような規模に相当します。
- 自動車で地球を182,675周走行するのと同じ排出量
- パリとニューヨークを結ぶ往復航空便898,305回分の排出量
数字だけではイメージしにくい排出量の大きさが、具体的な距離やフライト数に置き換えることで浮かび上がります。
ロンドン2012・リオ2016と比べて54.6%削減
パリ大会の組織委員会は、今回のCO2排出量が2012年のロンドン大会と2016年のリオデジャネイロ大会に比べて54.6%少なかったとしています。大会前に掲げていた「オリンピックの汚染フットプリントを半減させる」という目標を、数値上は上回った形です。
排出は相殺、それでも「カーボンニュートラル」とは言わず
パリ2024の主催者は、大会によって発生した排出を埋め合わせるため、温室効果ガスの削減や吸収を行うプロジェクトに資金提供をしてきました。しかし、それにもかかわらず「大会はカーボンニュートラルだった」とは主張していません。
近年、排出をまず減らすのではなく、オフセット(排出相殺)に頼るだけの気候対策に対しては慎重な見方も広がっています。パリがあえて「カーボンニュートラル」という強い表現を避けたことは、自らの取り組みを過大評価しない姿勢だと受け取る見方もあります。
大型スポーツイベントと気候危機をどう両立させるか
144万トンという数字は、「従来より半分」とはいえ、依然として非常に大きな気候負荷です。極端な気象や気候変動の影響が世界で意識されるなか、オリンピックのような巨大イベントをどのように持続可能な形で続けていくのかが問われています。
今後の議論のポイントとして、例えば次のような問いが考えられます。
- 観客や選手の移動をどこまで減らせるのか
- 既存の施設を活用し、新たな建設をどこまで抑えられるのか
- 開催都市が大会後も見据えた長期的な環境計画を持てるか
パリ2024の試みは、大型スポーツイベントがどこまで排出を削減できるのか、そしてどの時点でイベントのあり方そのものを見直す必要があるのかを考える材料になりそうです。次の開催都市が、この数字と議論をどう受け止めるのかが注目されます。
Reference(s):
Paris 2024 organizers claim event far less polluting than recent Games
cgtn.com








